2025年注目のアート展 その1。新しい視座で魅せる個性派アーティスト3選

《 Dreams of the beyond in the abyss 》イメージ ©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

LOUNGE / ART
2025年2月26日

2025年注目のアート展 その1。新しい視座で魅せる個性派アーティスト3選

ART|2025年に訪れるべき注目の展覧会

2025年、日本の美術シーンは多彩な展覧会で幕を開けた。蜷川実花による京都発の没入型インスタレーション、ストリートからアートを発信し続けたキース・へリング、そして猫と共に生きた藤田嗣治。時代も表現手法も異なる3人のアーティストによる個展が、それぞれ新たな視点とアプローチで観る者を魅了する。2025年に訪れるべき注目の展覧会を、第一弾としてピックアップした。

Text by YANAKA Tomomi

蜷川実花 with EiM──光と影が織りなす京都発の新表現

2025年、日本各地の美術館で個性際立つ3つの展覧会が開催される。デジタルテクノロジーを駆使した空間演出から、ストリートカルチャーの革新性、そして親密な日常を捉えた絵画表現まで、それぞれが新たな視点で作品の魅力を引き出す展示となっている。
《 Flowers of the Beyond 》イメージ
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
まず注目したいのは、京都市京セラ美術館で開催中の「蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影」(3月30日まで)。京都国際観光大使も務めた蜷川実花とクリエイティブチーム・EiMが、千年の都からインスピレーションを得た意欲作だ。
《 Whispers of Light, Dreams of Color》イメージ
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
蜷川実花にとって、関西で過去最大規模となる本展。データサイエンティストの宮田裕章、プロダクションデザイナーのENZO、クリエイティブディレクターの桑名功、照明監督の上野甲子朗など、各分野のスペシャリストにより結成されたクリエイティブチームEiMと新たな表現に挑戦している。
《 Whispers of Light, Dreams of Color》イメージ
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
展示では日常の中にある光と色のコンビネーションを表現した"光彩色"、影と色で表した"影彩色"という対比的な要素を用い、作家と鑑賞者、自己と他者など、相反するものの境界が揺らぐ空間を創出。
《 Silence Between Glimmers 》イメージ
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
約1600本のクリスタルガーランドで命のきらめきを表現した作品や、窓の外の京都の街並みまでも作品に取り込んだインスタレーションなど、CGを一切使用せず、現実世界の写真や映像のみで構成された全10点が、鑑賞者を異世界へと誘う。
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