北斎など約450点が集結『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』展|ART

左/東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」 大判錦絵 寛政6年(1794)5月 日本浮世絵博物館。中/歌川国芳「人をばかにした人だ」 大判錦絵 弘化4年(1847)頃 日本浮世絵博物館。右/重要美術品 歌川国政「市川鰕蔵の暫」 大判錦絵 寛政8年(1796)  平木浮世絵財団。

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2020年2月29日

北斎など約450点が集結『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』展|ART

ART|大衆文化が育んだ浮世絵版画の魅力を存分に堪能する

重要文化財を含む、日本を代表する芸術、浮世絵の名品約450点が集結

日本の三大浮世絵コレクションである太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団から選りすぐった名品約450点を展示する『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』展が、上野の東京都美術館で2020年7月23日(木・祝)~9月13日(日)まで開催される。

Text by OZAKI Sayaka

江戸の町人に愛された浮世絵版画約450点が東京・上野に集結

江戸時代の庶民に愛好された、日本を代表する芸術表現のひとつである浮世絵。その人気は海を越え、19世紀後半には印象派の画家をはじめとしてヨーロッパの画壇にも大きな影響を与え、ジャポニスムの一大潮流をもたらした。また葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、世界でも有名な日本の作品“The Great Wave”として、現在に至るまで多くの人々に愛されてきた作品だ。
浮世絵版画の名品は海外に散逸したと思われがちだが、日本には世界最高水準の浮世絵コレクションが存在している。質、量ともに日本を代表する三大浮世絵コレクションと言われる太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団から約150点ずつを選りすぐった名品約450点が『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』展で展示される。

本展の見どころは、浮世絵の祖・菱川師宣から、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、そして幕末に活躍した歌川国芳まで、60名以上の絵師の代表作が一堂に会し、さらに作品の保存状態も良好。とりわけ前期・後期ともに展示される葛飾北斎の冨嶽三十六景の三役「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」、歌川広重の東海道五十三次「庄野 白雨」「蒲原 夜之雪」には注目したい。

また石川豊信の「花下美人」を含む重要文化財3点、鳥居清長の「六郷渡船」など重要美術品115点が展示される。江戸の大衆文化が育んだ浮世絵版画の魅力を存分に楽しめる展覧会となるだろう。
喜多川歌麿「青楼仁和嘉女芸者部 たま村屋おひで 富本豊志名」 大判錦絵 天明3年(1783) 日本浮世絵博物館
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 横大判錦絵 天保元~4年(1830~33)頃 太田記念美術館
『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』
会期|2020年7月23日(木・祝)~9月13日(日)
会場|東京都美術館
住所|東京都台東区上野公園8-36
主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団、日本経済新聞社、BSテレビ東京 ほか
協力|小学館
問い合わせ先

東京都美術館
https://ukiyoe2020.exhn.jp

                      
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