「琳派はポップ / ポップは琳派」の展示エリアでは、時代を越えて、いまなお支持される琳派の“ポップ性”に注目し、現代日本の多様な表現のなかから、9名の作家による作品を紹介する。コシノジュンコと矢柳剛のコラボレーションにより制作された色鮮やかでグラフィカルな作品をはじめ、琳派を独自の視点で解釈し、屏風や水墨などの日本特有の素材やメディアをもちいて制作された金氏徹平、しりあがり寿、染谷聡、山本太郎、山口藍の作品やインスタレーション、琳派的な感覚を取り入れながら表現された中島克子の陶芸作品、そして、華やかな色彩の組み合わせが美しい蜷川実花の写真作品が登場する。

山口藍 ことど 撮影：市川靖史 ©ai yamaguchi・ninyu works Courtesy SPIRAL / Wacoal Art Center, Mizuma Art Gallery

森村泰昌 セルフポートレイト／白いマリリン copyright the artist courtesy ShugoArts

「多様性の中の現在」と名付けられたブースでは、1988年から今年までの間にヴェネツィア・ビエンナーレで紹介された作家の作品のみならず、ヴェネツィア・ビエンナーレに関連した作品やアーカイブなどを展示する。ちなみに1988年は、森村泰昌や宮島達男が若手グループ展「アペルト」部門に作品を出展し、今日高く評価される日本の現代アートが国際的に認知を高めるきっかけとなった年だ。

そして森万里子をはじめ、米田知子、そして国内外での活躍が目覚ましい束芋や田中功起、塩田千春（2015年参加予定）など、今日の日本社会や世界の多様性に焦点を当てた、意欲的で世界的な評価も高い作品をここで見ることができる。

そして、現在世界的に注目されている日本のアートムーブメントである「もの派」。その主要メンバーのひとりである菅木志雄は、1978年にクループに参加。日本館が紹介したアーティストは、同じく「もの派」の文脈で紹介される小清水漸にはじまり、戸谷成雄や遠藤利克、村岡三郎といった作家たちにまで広がっている。

戦後日本のアートシーンに大きな衝撃を与えた「もの派」や、それ以降に生み出されたアートやムーブメントが、時代とともに日本のアートシーンに与えた影響とは、果たしてどのようなものだったのか。20世紀日本の現代アートを、この5名の作家の関連作品や近作と共に辿ってゆく。

小清水漸 赤と木 5 Courtesy of the artist and Tokyo Gallery+BTAP

写真提供（株）アマナサルト

安藤氏が「ただ光に希望を託して、もっとも単純で、もっとも豊潤な意味をもつ空間を追い求めてきた、私のむきだしの思考の軌跡がそこにある」と語る通り、ANDO建築の原点とその普遍性が表現されている。「アートフェア東京2015」では、本作の日本初披露にくわえ、昨年発表されたポートフォリオ集第1弾『ANDO BOX ‒ Drawings』も同時に展示される貴重な機会だ。