ART│フライジャル・ベンチャーズとコラボレーションした3次元作品
ART│フライジャル・ベンチャーズとコラボレーションした3次元作品
ベン・アインの最新作「Objets D'art」が東京で2日間限り公開
タイポグラフィで知られるアーティストのベン・アイン(Ben Eine)と、ロンドンでアーティストの立体作品を手がける会社フライジャル・ベンチャーズ(Fragile Ventures)がコラボレーション。アインの独特のタイポグラフィスタイルを伝える限定の3次元キューブを制作。日本では、12月6日(土)、7日(日)の2日間限り、銀座のメグミオギタギャラリーで展示される。
Text by YANAKA Tomomi
代表的する3種類のタイポグラフィで「E」を表現
ベン・アインは、ロンドンのストリートを中心に作品を発表してきたアーティスト。店のシャッターや公共の壁、さらには著名な美術館やギャラリーにいたるまで、さまざまな場所に1文字のアルファベットや皮肉なメッセージを描いてきた。
イギリスのキャメロン首相が初のアメリカ公式訪問のギフトとしてオバマ大統領にアインの作品をプレゼントしたという逸話が残るほか、2012年にはルイ・ヴィトンとコラボレーションしたシルクスカーフも発売。バンクシーと並び、ストリート発のアーティストとして世界が注目する存在だ。
そんなアインと、アーティストの作品を3次元でつくりだし、世界に向けて発信するためのプラットフォームを提供しようと設立されたフライジャル・ベンチャーズがタッグを組み、プロジェクト「URBAN[E]」を始動。生み出された作品は、フランス語で「美術品」や「芸術品」を意味し、装飾芸術の分野で良質で完成度の高い3次元の小さな美術品を指す「Objets d'art」と名づけられた。
「Objets D'art」はコンクリートのほか、メタル、ウッドでつくられた3種類の12センチ四方の立方体。アインの代表的なタイポグラフィーである「シャッター」「テンダーロイン」「サーカス」の各フォントでアインの頭文字である「E」の文字が描かれた。この作品は、いずれも100個ずつ制作。本人のサインも入り、12月5日(金)からフライジャル・ベンチャーズのオンラインで、ひとつ2500ポンド(約50万円)で販売。日本では12月6日(土)、7日(日)のみ、メグミオギタギャラリーで公開される。
「小さいころから何かをつくったり、組み立てたりすることが大好きでした。そして大人になったいま、手づくりでユニークな美しいものをつくる機会をもらえた」というアインと、「自分たちのお気に入りのアーティストと一緒にコラボレートしたいと熱望していた」というフライジャル・ベンチャーズとの幸福な出会い。アインのクールで深いタイポグラフィの世界をぜひその目で確かめていただきたい。
ベン・アイン「Objets D'art」
会期│12月6日(土)、7日(日)
時間│11:00~19:00
会場│メグミオギタギャラリー
東京都中央区銀座2-16-12 B1F
Tel. 03-3248-6405