ART|コスチューム・ナショナルのアートコレクション展『Black Hologram』
ART│デザイナー、エンニョ・カパサの創造的な思考を追体験する
コスチューム・ナショナルのアートコレクション展『Black Hologram』
エッジの効いたミニマルなスタイルで知られるイタリアのラグジュアリーブランド、コスチューム・ナショナル。ブランドの成長とともに収集をしてきたアート作品のなかから、創業期のイメージである“黒”を中心とした作品のみを展示するアートコレクション展『Black Hologram』が来年1月10日(土)まで、南青山のコスチューム・ナショナルの旗艦店で開かれている。
Text by YANAKA Tomomi
創業期のテーマカラーともなっていた黒を中心に作品を展示
1986年にデザイナーのエンニョ・カパサが兄のカルロとともにミラノで創業したコスチューム・ナショナル。ミニマルかつシックなデザインは、世界中のセレブリティやファッションアイコンたちから支持を集めている。また日本でも、2011年9月に世界ではじめてショップとバー、ギャラリーを併設したコンプレックス型の旗艦店を南青山にオープン。エンニョ・カパサの世界観をあますことなく表現し、ライフスタイルを提案してきた。
そんなエンニョ・カパサは、ブランド創設前に山本耀司のアシスタントデザイナーとして東京に滞在。その間、東山文化の水墨画に代表されるような黒の濃淡と素材の白のみであらわされる美しさなど、日本の伝統文化に強くインスピレーションを受けたという。現在のクールで知的なクリエイション、そして独創的でありながら計算されつくした美しいデザインに日本の文化が大きくかかわっていたといっても過言ではないだろう。
今回のアートコレクション展では、エンニョ・カパサの創作活動に刺激と革新を与えたきたコレクションのなかから、創業期のテーマカラーともなっていた黒を中心に作品を展示。水墨画が濃淡やにじみ、かすれだけでさまざまな色や表現をおこなうように、ギャラリースペースをキャンバスに見立て、展示される作品すべてが一体となり、空間を作り上げる。
初期のころには、黒でブランドの世界観を構築してきたコスチューム・ナショナル。アートから日々インスピレーションを受けてきたエンニョ・カパサの創造的な思考を、私たちが追体験できる特別な機会となっている。
アートコレクション展『Black Hologram』
日程│10月15日(水)~2015年1月10日(土)
時間│11:00~19:00
会場│CoSTUME NATIONAL | LAB
東京都港区南青山5-4-30 CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex 1F
Tel. 03-5466-8755