ART|細倉真弓『Transparency is the new mystery』展をPOSTで開催
ART│結晶とヌードをモチーフにしたモノクロームの世界
細倉真弓『Transparency is the new mystery』展をPOSTで開催
写真家の細倉真弓(ほそくら・まゆみ)による写真展『Transparency is the new mystery』が恵比寿のポストで開催中だ。結晶とヌードをモチーフにしたモノクロームの写真群が出現する。7月27日(日)まで。
Text by YANAKA Tomomi
ここにしか存在しえないものの刹那的な美しさを表現
1979年に東京で生まれた細倉真弓。立命館大学で文学を学んだのち、日本大学藝術学部写真学科を卒業した。そして、先の『KAZAN』シリーズでは、ヌードと鉱物を軸に、より多くのモチーフを盛り込んだ作品を発表。若者がもつ、若さゆえの不安定さや儚い美しさ。それに対して、ずっと変わらないものの象徴である鉱物という対照性をもつ被写体を等価値的な視線で冷静に見つめた作品は大きな反響を呼んだ。
前作の要素をそぎ落とし「ヌード」と「結晶」のふたつに焦点を当てた今回の写真展では、オリジナルプリント約10点を展示。今回、結晶というモチーフに注目し、J.G.バラードのSF小説『結晶世界』を思い浮かべたという細倉。ひとも木も川もすべてが透明な結晶で覆われているこの物語のなかの世界と、結晶化された瞬間を押しとどめられた被写体とが呼応し、ここにしか存在しえないもの特有の刹那的な美しさを浮かび上がらせる。
また、本展にあわせ、『Transparency is the new mystery』のスペシャルエディションが10部限定で販売されるという。
透き通るようなモノクロ写真が映し出す被写体自体が秘める本質的な強さ。さらに進化、深化を見せる彼女の写真世界にそっと足を踏み入れてみたい。
細倉真弓『Transparency is the new mystery』
会期│7月11日(金)~7月27日(日) ※月曜休み
時間│12:00~20:00
会場│POST
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
Tel.03-3713-8670
作品集『Transparency is the new mystery』
仕様│A4変形、48ページ
部数│プリント付き10部限定
価格│2万5920円