ART|Bunkamuraザ・ミュージアムで『デュフィ展』
LOUNGE / ART
2015年1月29日

ART|Bunkamuraザ・ミュージアムで『デュフィ展』

ART│“色彩の魔術師”待望の本格的回顧展

Bunkamuraザ・ミュージアムで『デュフィ展』

20世紀フランスを代表するラウル・デュフィ(Raoul Dufy 1877-1953年)の往年の作品が紹介される回顧展『デュフィ展』が東京、大阪、名古屋で開催。東京では、6月7日(土)から7月27日(日)まで、Bunkamuraザ・ミュージアムで開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

多様な造形を検証することで、色彩と光の戯れの向こうにある画家の本質を引き出す

ピカソやマティスらとともに20世紀前半にフランスで活躍し、“色彩の魔術師”といわれるラウル・デュフィ。明るい色彩と軽快な筆さばきで描く独自のスタイルは、華やかさと軽やかさをたたえ、いまもなお多くの人を魅了する。

しかし、その明るい側面ばかりに注目が集まった結果、ときにその本質が軽んじられてきたことも事実。詩人であり、美術評論家でもあったギヨーム・アポリネールをもって「不遇にして偉大なる画家」と評している。本展ではそんなデュフィの多様な造形を丁寧に検証することで、色彩と光の戯れの向こうにある画家の本質を引き出していく。

会場にはノルマンディー地方の港町からパリに絵を学びに来た青年時代から、木版画やテキスタイルデザイン、本の挿絵など絵画制作以外の仕事に集中する時期を経て、ふたたびキャンバスと向かい合った黄金期まで多彩な作品を網羅。パリ国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)など、デュフィの重要なコレクションを有するヨーロッパの美術館から協力を得て展示される作品は、油彩はもちろん、版画、素描、水彩画、服飾、家具にいたるまでおよそ150点にものぼる。

ラウル・デュフィ

ラウル・デュフィ 《ニースの窓辺》 1928年 油彩、カンヴァス 島根県立美術館 ©ADAGP, Paris&JASPAR, Tokyo, 2014 E0972

ラウル・デュフィ

ラウル・デュフィ 《クロード・ドビュッシーへのオマージュ》 1952年 油彩、カンヴァス アンドレ・マルロー近代美術館、ル・アーヴル © Florian Kleinefenn

なかでも、音楽愛好家の家族のなかで育ったデュフィは、音楽にまつわる作品や、太陽の光が美しい南仏を描いた代表作を数多く制作。これらが来日を果たすほか、イギリスの裕福な大地主であるジャン=パティスト・オーギュスト・ケスラーが注文した家族の集合肖像画で、高さ2メートル、幅2.7メートルもある大作『馬に乗ったケスラー一家』なども展示される。

いかにしてデュフィは、鮮やかな色彩と光が満ち溢れた作品を生み出す境地に至ったのか。彼の人生、そして版画制作やテキスタイルデザイン、水彩画など、油彩以外の制作にも光を当てた見ごたえある内容となっている。

『デュフィ展』

東京会場
日程│6月7日(土)~7月27日(日) ※7月2日(水)のみ休館
時間│10:00~19:00
会場│Bunkamuraザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
Tel.03-3477-9111
入館料│一般1500円、大学・高校生1000円、中学・小学生700円

大阪会場
日程│8月5日(火)~9月28日(日) ※月曜休館。ただし9月15日(月・祝)は開館
時間│10:00~20:00 ※土曜、日曜、祝日は~18:00
会場│あべのハルカス美術館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F
Tel.06-4399-9050
入館料│一般1400円、大学・高校生1000円、中学・小学生500円/

名古屋会場
日程│10月9日(木)~12月7日(日)
会場│愛知県美術館
名古屋市東区東桜1-13-2
Tel.052-971-5511

           
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