ART|タカ・イシイギャラリーで荒木経惟『左眼ノ恋』
LOUNGE / ART
2015年5月8日

ART|タカ・イシイギャラリーで荒木経惟『左眼ノ恋』

ART│撮りおろし作品のなかから65点を展示

タカ・イシイギャラリーで荒木経惟『左眼ノ恋』

写真家荒木経惟の個展『左眼ノ恋』が5月25日(月)から6月21日(土)まで、江東区清澄のタカ・イシイギャラリーで開催。数百点にも及ぶ最新の撮り下ろし作品よりセレクトされた65点を展示。

Text by YANAKA Tomomi

アラーキーの視界を投影した写真作品

昨年10月に右眼網膜中心動脈閉塞症により、右眼の視力を失った荒木。しかし、「写真=人生」ととらえる彼は以前とは変わらない精力的なペースで写真を撮りつづけてきたという。

アラーキーがかつて女性におなじポーズをさせて写真を撮るなど、敬愛する写真家エド・ヴァン・デル・エルスケンが1954年に出版した写真集『セーヌ左岸の恋』の題名にかけて名づけられ、オマージュでもある本展。荒木は撮影したポジフィルムの右部分を黒マジックで塗りつぶし、そのポジから写真をプリント。すなわち、写真はそのまま彼の左眼と右眼の世界を投影し、右側部分は翳りのある、アラーキーの視界そのものを表すような作品が並ぶ。

左眼ノ恋

また、タカ・イシイギャラリーからは、本展とおなじタイトルの写真集も300部限定で5月25日(日)に刊行。前立腺がんを乗り越え、その後右眼の視力を失う事実に直面しても「死はこっちに向かってくるからね。こっちからは向かいたくないじゃない。吹き飛ばさないとだめだぞ」と独特の調子で語るアラーキー。これまでも写真で私小説を綴ってきた彼の写真家としての覚悟をあらためて感じる作品群だ。

荒木経惟『左眼ノ恋』
日程│5月25日(日)~6月21日(土) ※日曜、月曜、祝祭日休み
時間│12:00~19:00
会場│タカ・イシイギャラリー
東京都江東区清澄1-3-2 5F
Tel.03-5646-6050

荒木経惟写真集『左眼の恋』
発売日│5月25日(日)
発行│タカ・イシイギャラリー
仕様│H140×W210mm、ソフトカバー、64ページ、102点掲載
販売部数│300部
価格│未定

           
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