ART|築150年の温泉リゾートを舞台にした「里山アートプロジェクト」
ART|築150年の温泉リゾートを川上シュン氏の新作がジャック!
「里山十帖」を舞台にした「里山アートプロジェクト」始動
新潟・大沢山温泉の宿泊施設「里山十帖」を舞台にした「里山アートプロジェクト」が始動。第一弾はアーティストの川上シュン氏の新作が、5月28日(水)から6月30日(月)まで、客室や館内をアートで“ジャック”する。
Text by YANAKA Tomomi
金箔と現代の印刷技術が融合した独特の世界観を発露
今年5月にグランドオープンしたばかりの「里山十帖」。越後一の秘湯といわれ“美肌の湯”で知られる大沢山温泉の源泉を楽しめる温泉リゾートで、雑誌『自遊人』の編集者だった岩佐十良氏がクリエイティブディレクターを務める。彼の美意識が生かされた豪壮で繊細な空間、オーガニック料理の数々を味わうことのできるあたらしいタイプの宿泊施設だ。
廃業予定の旅館を譲り受け、改装された「里山十帖」のレセプション棟は築150年。フルリノベーションが施され、新潟らしい真っ黒く太い梁と柱に囲まれた室内には、デンマークをはじめとした世界各国のデザイナーズ家具と、彫刻や絵画などのファインアートが競演する。
アーティストの川上シュン氏がオープニングを飾る「里山アートプロジェクト」では、今回のためにつくられ、金箔を使い、現代の印刷技術があってこそ表現できる作品を展示。全12室の客室やレストラン、館内の各所に飾られ、宿泊する人たちにそっと寄り添い、美しさを添える。
安土桃山時を中心にした日本文化の美的理念への回帰と、2000年以降のデジタルとともに進化したグラフィックデザインを融合した独特の世界観をもつ川上氏。彼が「moden-classic(現代古典主義)」と呼ぶ作品は、金沢の金箔の老舗「箔一」の職人が制作する特殊の金箔や銀箔用紙を使用。特殊印刷で人為的でないかすれや経年劣化も取り入れた、印刷作品でありながらも唯一無二の作品ばかりが並ぶ。
これらの作品は購入することも可能。展示作品と自然と空間を同時に楽しむことができる、里山ならではのアート体験に浴したい。
「里山アートプロジェクトVol.1 川上シュン×里山十帖」
日程│5月28日(水)~6月30日(月)
会場│里山十帖
新潟県南魚沼市大沢1209-6
Tel. 025-783-6777