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ART
2015年4月8日
ART|鈴木達哉写真展『Patterns in Discontinuity』
ART│身近な植物を切り取り生み出される小宇宙
鈴木達哉写真展『Patterns in Discontinuity』
写真家の鈴木達哉(すずき・たつや)による、身近な植物に焦点を当てた写真展『Patterns in Discontinuity』。2月22日(土)から3月23日(日)まで、渋谷のtokyoarts galleryで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
美しいテキスタイルや幾何学的な模様、そして抽象絵画のように広がる植物の世界
1980年、東京生まれの鈴木達哉。日本写真学院在学中からコンテストに入賞し、2011年の卒業後も精力的な活動をみせる、今後が期待される写真家のひとりだ。そんな鈴木達哉のふとした日常のなかから生まれた「不連続のなかの規則性」を意味する『Patterns in Discontinuity』シリーズの写真展が開催される。
誕生のきっかけを「家の生垣に強い違和感を抱き、目が留まった。なぜだろうとよく観察していくと、無数にちりばめられた葉のなかの何かを見ていることに気がつく。しかし、少しでもずれるとなにも感じないし、ただの植物としか見えなくなるのだ。この原因を探るため、観察と写真を撮りつづけることにした」と語る鈴木達哉。
会場には、対象への観察を重ねた作者自身の情感によって切り取られた、美しいテキスタイルや幾何学的な模様、そして抽象絵画のように広がる植物の世界を展示。また、初日の2月22日(土)18:00から20:00まではオープニングレセプションも開かれる。
普段見向きもせずに通り過ぎてしまう、一見すると凡庸な対象に光を当て、そこに美や規則性を見出した鈴木達哉。日々流れてゆく混沌のなかに身をおく私たちに、あらたなものの見方の可能性を提示している。