ART|ブルース・デビッドソンの写真展を開催
ART|アウトサイダーの視点で社会の変革を試みた写真家
ブルース・デビッドソンの写真展をユカ・ツルノギャラリーで開催
ニューヨークを拠点に、変化しつづけるアメリカを撮影してきた写真家ブルース・デビッドソン。彼の代表作を紹介する展覧会が11月19日(火)から12月21日(土)まで、江東区・東雲のユカ・ツルノギャラリーで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
少年たちを撮影した『ブルックリン・ギャング』など、代表作約20点を展示
アウトサイダーの視点をもちながら、社会の弱者に注目し、そこから現代のアメリカを写し取ってきた巨匠ブルース・デビッドソン。1933年アメリカ・シカゴに生まれ、少年時代から写真を撮りはじめた彼は、ロチェスター工科大学やエール大学で写真を学んだ。フォトグラファーとしてアメリカ陸軍に従軍した後、1957年からは「ライフ」誌のフリーカメラマンとして活躍。翌年からは国際報道写真家集団「マグナム」の正会員にも推挙されている。
本展では、ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするティーンエイジのストリートギャング「ザ・ジョーカーズ」の日常をドキュメントした『ブルックリン・ギャング』を展示。家庭に問題を抱え、反逆していても実は繊細な心をもつティーンたちのひと夏を優しい眼差しで撮影したデビッドソンの代表作だ。
このほかにも、当時の社会状況をとおしてアメリカの歴史を語る、力強い一瞬を捉えた『タイム・オブ・チェンジ』、イーストハーレムに住む貧しいひとびとの生活に入り込み、彼らの生活を真正面から捉えた『イースト100th ストリート』、初期の名作『サーカス』など、代表作といえるゼラチン・シルバープリント約20点が紹介される。
ロバート・キャパの実弟で写真家のコーネル・キャパが、人道的な見地から社会の変革を試みる写真家として、ユージン・スミスなどとともに「Concerned Photographer(関係する写真家)」と呼んだブルース・デビッドソン。単なるドキュメントを離れ、独自の報道写真の道を歩んできた彼の代表作に日本で触れることができる、貴重な機会だ。
ブルース・デビッドソン展
会期│11月19日(火)~12月21日(土) ※日曜、月曜休み
時間│11:00~19:00
会場│ユカ・ツルノギャラリー
東京都江東区東雲2-9-13 2F
Tel.03-3520-1700