BARNEYS NEW YORK|沖野修也が人生初の個展を開催!
LOUNGE / ART
2015年2月23日

BARNEYS NEW YORK|沖野修也が人生初の個展を開催!

BARNEYS NEW YORK × 沖野修也

中野光章氏(バーニーズ ニューヨーク)がナビゲート

沖野修也氏が語る『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』(1)

10月19日(土)から10月27日(日)まで、バーニーズ ニューヨーク新宿店にて、DJ、プロデューサー、作曲家、クリエイティブディレクターなど多方面で活躍するKyoto Jazz Massiveの沖野修也氏が、人生初となる個展『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』を開催する。今回、沖野修也氏と、本展を企画したバーニーズ ニューヨークのPRシニアマネージャーを務める中野光章氏との対談が実現。旧知の仲であるふたりが、本展の楽しみ方を語ってくれた。

Photographs by SAITO RyosukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)

沖野修也が描くイラストレーションとは

沖野 今回は、10年ぶりにイラストを描いて、とても楽しませてもらいました。

中野 10年ぶりと聞いて、驚きました。僕は当時のイラストをジャケットにしたコンピレーションCDをいまでも聞いているので、それほど前のこととはおもえません。10年経っても色あせないオリジナリティを、改めて感じました。

沖野 イラストを描きはじめたのが25年ほど前ですかね。実は、クラブにはDJとしてじゃなくて、グラフィックデザイナーでのデビューが先なんですよ。レコードは買っていたんですけどね。

イラストやコラージュを作って、友人と画廊でグループ展を開催したところ、京都のフリーペーパーの編集者と知り合いまして。アルバイトでそのフリーペーパーのイラストを描く仕事をはじめたんです。

その後、フリーペーパーに広告を出していたバーのオーナーが目をかけてくれて、クラブをオープンするから広告をやってみないか?という流れで、グラフィックデザイナーとしてクラブに出入りするようになりました。フライヤーをつくったり、クラブの壁面にも絵を描いていました。それがスタートです。

BARNEYS NEWYORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 02

そのあとは、「ザ・ルーム(※)」のフライヤーなどで、イラストを描いていました。今回、中野くんからオファーがきたとき、思い切ったな、大丈夫か?というのが最初の感想でした(笑)。

※The room(ザ・ルーム)|沖野修也氏がプロデュースする渋谷のクラブ改め「タマリバ」

中野 バーニーズ ニューヨークでどんどんあたらしいことを仕掛けていきたかったんです。僕は、沖野さんが描くイラストのずっと前からのファンで、過去に描かれたイラストが掲載されているフライヤーも大切に保存しています。イラストレーターとしての沖野さんのことを、もっと多くの人に広めていきたいとおもっていました。

沖野 今回は、過去に描いたイラストをシルクスクリーンに拡大印刷して、全27点のイラストを1点モノとして展示します。

BARNEYS NEW YORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 03

BARNEYS NEW YORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 04

中野 新作も1点、バーニーズ ニューヨークをイメージして沖野さんに描きおろしていただきました。それは、過去の広告写真からインスパイアされたものになるんですよね。

沖野 10年ぶりに筆を執ったので、けっこう緊張しましたね。丸2日かかったんですけど、はじめは、自分のデッサン力が落ちていて、ちょっと悩んでいたんですよ。でもなんとか、渾身の新作を完成させました。新作はTシャツにもプリントして展示します。それは、バーニーズさんならではの試みと言えます。

中野 そちらはメインのビジュアルとして展開しています。沖野さんオリジナルの技法が炸裂していますよね。

沖野 これは筆絵と版画と切り絵のクロスオーバー、日本の伝統的な技法をミックスしているんです。印刷を想定して版をつくっていて、刷り上がった状態が完成なので、原画というものも存在しない。今回は、過去に印刷されたものを複製して、そこからシルクスクリーン用のデータをもう一回作りなおしました。

中野 これはポップアートですよね。女性もすごく美しいです。

沖野 いろんな女性の顔を見て、デッサンをはじめるんですけど、特定の女性ではないんですよ。構図もオリジナルです。

BARNEYS NEW YORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 05

『変な音』
IN NATURAL VOL.2 NO.9 DECEMBER 1995
©NEO FACTORY CO.,LTD

BARNEYS NEW YORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 06

『不条理な正義』
IN NATURAL VOL.4 NO.18 JUNE 1997
©NEO FACTORY CO.,LTD

BARNEYS NEW YORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 07

『ストレンジャー・ザン・プライド』
IN NATURAL VOL.4 NO.20 OCTOBER 1997
©NEO FACTORY CO.,LTD

ザ・ルームのフライヤーは女性の顔を描いたものが多いですね。初期作品として、ジャズミュージシャンのポートレートだったり、物語風のイラストも展示します。

中野 雑誌『IN NATURAL』で連載していたものですよね。当時は文章もイラストも担当していると知って、驚きましたよ。

沖野 そうそう、自分の短編小説の挿絵を自分で書いていたんですよ。実は今回も、印刷所を担当してくれた会社の方も僕が描いていると気づかなかった(笑)。誰かほかの人が描いたイラストを展示する“沖野修也がプロデュースしたビジュアル作品”だとおもっていたらしくて。

中野 でも本当に、このイラストのジャケットがレコード屋にならんでいたら、手にとっちゃいますよね。色の出方も特徴的で、ポップなのに色気があるというか。想像力を掻き立てるようなビジュアルですよね。

沖野 やっぱり音楽を意識していますね。たとえば、アンニュイな感じだとボサノバだったり。ミュージシャンのポートレートのときは、ジャズやソウルだったりが聴こえるように感じてもらえればと考えています。

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BARNEYS NEW YORK × 沖野修也

中野光章(バーニーズ ニューヨーク)がナビゲート

沖野修也が語る『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』(2)

Photographs by SAITO RyosukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)

バーニーズ ニューヨークが「タマリバ アネックス」に!?

中野 そして、特筆すべきなのは、店内のBGMを沖野さんが選曲するというところですね。

沖野 アーティストは自分自身で音楽を選ぶことは少ないし、美術館などに行っても無音ですよね。僕は自分の作品に一番ふさわしい音楽を自分で選びました。

中野 沖野さんの絵を見て、沖野さんの選曲で、沖野さんの世界観を楽しめるようになっています。

沖野 僕がいるときもありますけど、いなくても作品と音楽で沖野修也の世界を展開します。あれ、沖野さんいるの?みたいにね。

BARNEYS NEWYORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 09

中野 僕は、バーニーズを「タマリバ(※)」にしたいんですよね。なので本展内で開催するイベントのタイトルも「タマリバ アネックス」としました。ザ・ルームで音楽を楽しめる人たちは、バーニーズのお客さまとしてもすごく親和性があるとおもうんです。自分自身が楽しむ術を知っているというか。

沖野さんには、いろいろな人を紹介していただき、多くの経験をさせていただきました。おなじように、今回の企画で、バーニーズを好きな人が沖野さんの作品に触れることで、ピースな出会いが生まれたら素敵だな、と考えています。

※タマリバ|沖野修也氏が提案するあたらしいクラブのあり方

僕はいま40歳で、お会いしたのが24歳のときなので、もう16年になりますね。こういうかたちで、いっしょにお仕事ができるというのは、やはりうれしいです。社会人になってザ・ルームに通っている20代のころは、いつかこのフライヤーの人気コラム「フェイバーフレイバー」に出演できる男になりたいとずっとおもっていて……。

沖野 それ、もう終わっちゃったよ!(笑)

あたらしいチャンネルの音楽発信

沖野 かつてクラブに通っていたけど最近は行けてない、という人には是非ともご来場いただきたいですね。子供ができて家庭をもった人が、いまでもクラブにオールナイトでいるかというと、それは現実的ではない気がするんです。

“ポスト・クラブカルチャー”というか、ショップやギャラリーだったり、いままでの音楽発信がクラブからだったけど、これからはちがうチャンネルもあるんじゃない?という、ひとつのトライになるとおもうんですね。昼間にアートがあり、音楽あり、DJがいる空間があれば、そこに集まるひとたちは必ずいますよ。

中野 それこそ、ずっとザ・ルームで遊んでいた人たちが、イラストを見ていろいろ思い出すこともあるでしょうね。フライヤーを集めている人は、多かったとおもいますよ。
最終の日曜日は、沖野さんにアフタヌーンを音楽といっしょに楽しめる空間を用意していただけるので、奥さんなんかを連れて、ふらっと遊びに来てほしい。買い物のついでに、ご飯を食べたあとに、沖野さんの音楽を聴きながら、アートに触れるというのは、とてもよい時間になるとおもいます。

沖野 今回、久しぶりに絵を描くことができて、すごくよかった。新作は、おもっていた以上の作品に仕上がったので、そのカタルシスはすごく大きかったですね。自分的にもあたらしいアプローチをできたのでとても満足しています。

実は、絵を描かなくなったのは、アルバムリリースやプロデュース、リミックスなどのオファーで、音楽に費やす時間が多すぎて、絵を描きたいというモチベーションを受け入れる余裕をもてなかったからなんです。でもこういう機会を得て、また自分の好きなものを描いてみようかな、とおもえました。

BARNEYS NEWYORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 10

音楽を作りたいとか絵を描きたいという衝動にたいしては、それが商売になるかという話は、そのあとの問題です。自分のモチベーションに忠実になるということの大切さを、改めて感じることができました。企画を提案し、実現していただいたことに、心から感謝しています。

中野 バーニーズ ニューヨークとしても、あらたな1ページをつくることができました。今回は、純粋にアーティストをクローズアップするというはじめての試みになるんです。キャンペーンの一環でもなく、入場も無料です。「タマリバ アネックス」の2日間はドリンクも用意しておりますので、好きにくつろいでいただきたいですね。

『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』

日程|10月19日(土)~10月27日(日)
時間|11:00~20:00(最終日は18:00まで)
料金|無料
場所|バーニーズ ニューヨーク新宿店 9F
東京都新宿区新宿3-18-5
Tel. 03-3352-1200
www.barneys.co.jp

記念パーティ『TAMARIBA ANNEX』

〈PART 1〉
日程|10月19日(土)
時間|18:00~21:00
料金|無料
ゲストDJ|沖野修也、DJ KAWASAKI
〈PART 2〉
日程|10月27日(日)
時間|14:00~18:00
料金|無料
ゲストDJ|沖野修也、TSUYOSHI SATO(BLACK EDITION),YUKARI BB
フリードリンクあり(無くなり次第終了)

BARNEYS NEWYORK|『ANOTHER FACE 沖野修也イラストレーション展』 11

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