ART|東京都写真美術館で『日本写真の1968 1968-Japanese Photography』展
LOUNGE / ART
2015年1月27日

ART|東京都写真美術館で『日本写真の1968 1968-Japanese Photography』展

ART│写真界の転換点となった1968年にスポット

東京都写真美術館で『日本写真の1968』展

日本写真界のターニングポイントともいえる1968年にスポットを当てた展覧会『日本写真の1968 1968-Japanese Photography』が5月11日(土)から7月15日(月・祝)まで恵比寿の東京都写真美術館で開催している。

Text by YANAKA Tomomi

日本で写真という枠組みがどう変容し、世界を変容させていったか

戦争、革命、暗殺など世界中のあらゆる領域でこれまでの枠組みに対して、根源的な問いかけと異議が上がった1960年代後半。日本では学生運動の嵐が吹き荒れ、写真界でも近代写真が構築した“写真”の独自性と“写真史”への問いかけがはじまり、転換点を迎えていた。

とくに1968年は、写真表現に大きな影響を与えた『写真100年-日本人による写真表現の歴史展』の開催や、雑誌『カメラ毎日』で日常への私的なまなざしを特徴とする「コンポラ写真」の特集、雑誌『プロヴォーク-思想のための挑発的資料』の創刊が、写真界のエポックメイキングに。そして沸騰する学生運動は大学から路上へ、さらに農村へと展開し、闘争の側から撮影した写真群がつぎつぎに発表され、今日の“写真”を考えるうえで重要な出来事が集中して現れている。

本展では、東松照明や森山大道、中平卓馬、桑原甲子雄、ユニット69、高梨豊らの写真を展示するとともに、多彩な資料を提示。1968年を中心にして1966~1974年の間で、日本で写真という枠組みがどのように変容し、世界を変容させていったかをたどる“写真とは”“日本とは”“近代とは”を探ってゆく試みだ。

また、6月15日(土)には明治大学教授の倉石信乃氏、美術批評家、沖縄県立芸術大学講師の土屋誠一氏、IZU PHOTO MUSEUM研究員の小原真史氏、写真研究者の冨山由紀子氏、東京都写真美術館専門調査員の金子隆一氏が出演するシンポジウム『日本写真の1968』も開かれる。

ほかのカルチャーと呼応するように日本独自の写真表現が芽吹いた1968年。半世紀近い時間が経過したからこそわかる時代の、そして写真の大きな節目をあらためて見つめてみたい。

『日本写真の1968 1968-Japanese Photography』
会期│5月11日(土)~7月15日(月・祝) ※月曜休館。ただし、7月15日を除く。
時間│10:00~18:00 木曜、金曜は~20:00 
会場│東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
Tel.03-3280-0099
観覧料│一般600円、学生500円、中高生・65歳以上400円

シンポジウム『日本写真の1968』
日程│6月15日(土)
時間│14:00~17:00
出演│土屋誠一(美術批評家、沖縄県立芸術大学講師)、小原真史(IZU PHOTO MUSEUM研究員)、冨山由紀子(写真研究者 東京大学大学院博士課程)、金子隆一(当館専門調査員)
会場│東京都写真美術館1Fホール
定員│190人 ※展覧会の半券をもつひとに当日10時より整理券を配布
入場料│無料

           
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