ART FILE 10 & 11|「Blue Jeans 350 years」 & 「L’AUTRE JEAN (The Other Jean)」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 10|オランダ・ユトレヒト|「ユトレヒト中央博物館」
デニムのDNAを図解する2つの展示
「Blue Jeans 350 years」
今回はデニムをテーマにした2つの展示会「Blue Jeans 350 years」と「L’AUTRE JEAN (The Other Jean)」を一挙に紹介。まずは、オランダで初となるデニムの大規模の展示「Blue Jeans 350 years」。
Text by Winsome Li (OPENERS)
古今のワードローブにに見る“MUST HAVE”アイテム
オランダのユトレヒト中央博物館にて3月10日(日)まで「Blue Jeans 350 years」展が開催されている。現在は普遍的な素材として使われているデニム。実は350年以上の歴史もある伝統的なファブリックだ。17世紀以来、デニムのデザインとプロダクトは常に進化しつづけている。今回の展示は古くから継承されてきた職人の優れた技と、デニム製作における最新のテクノロジーを紹介、350年間のデニムの歴史、変化を詳らかにする。
また、デニムについて多面的にアプローチし、オート クチュールからストリートファッションまでのアイテムを展示。代表的ブランドといえる、リーバイス、ジースターはもちろん、シャネル、ジャン ポール・ゴルチエ、メゾン・マルタン・マルジェラなど数多くのハイ ファッション ブランドのアイテムも並ぶ。
展示の最後には「Blue Jeans Studio」というワークショップが開かれている。デニム作りの機材が設けられ、実際にジーンズを加工できるという。
「Blue Jeans 350 years」
会場|ユトレヒト中央博物館
会期|2012年11月24日(土)~2013年3月10日(日)
開場時間|10:00~17:00 ※月曜日は休館日
入場料|8ユーロ
住所| Nicolaaskerkhof 10, 3512 XC Utrecht
Tel. +31(0)30-236-2362
centraalmuseum.nl
ART FILE 11|フランス・パリ|「サンテティエンヌ 芸術・産業博物館」
デニムのDNAを図解する2つの展示
「L’AUTRE JEAN (The Other Jean)」
2つ目の展示5月6日(月)までパリのサンテティエンヌ 芸術・産業博物館にて開催中の「L’AUTRE JEAN (The Other Jean)」。フランスのカジュアルウェア・ブランド、マリテ+フランソワ・ジルボーの40年の業績を展示する。
Text by Winsome Li (OPENERS)
デニムを代表するマリテ+フランソワ・ジルボー初の展示会
マリテ+フランソワ・ジルボーはフランス人デザインカップルのフランソワ・ジルボー(François Girbaud)とマリテ・ジルボー(Marithé Girbaud)夫妻により1964年に創業した。ジーンズ作りの先駆者として、着心地の良い服を長年に渡り提案しつづけている。
彼らは新しい技術を追求しながら、テクノロジーと創造性をプロダクトに反映、70年代のファッション業界を牽引した。ジーンズの原型となったマリテ+フランソワ・ジルボーのオリジナルデザインであるカウボーイジーンズ、バギーパンツ、テープ付きのシャトルパンツは今なお人気の定番アイテムである。
ブランドのアーカイブからセレクトした作品、デザイン図、広告キャンペーン、スケッチなどが展示される。メゾンの歴史と作品を回顧できる。