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ART
2014年12月20日
ART FILE 06|「DEATH: A self-Portrait」|連載「世界のアート展から」
Art File 06|イギリス・ロンドン|「ウェルカム コレクション」
「死」の自画像
「DEATH: A self-portrait」
ロンドンにある「ウェルカム コレクション」は、医学、生命とアートの過去、現在、将来にかかわるコレクションやイベントを行う無料展示会場。今回はスペシャル展として、「DEATH: The self-portrait」が2月24日(日)まで開催中。“死”をテーマに、美術収集家リチャード・ハリス氏のコレクションから300以上の作品を展示する。
Text by Winsome Li (OPENERS)
「死」――誰にも避けられない目的地をアート展に
過去から現代まで、「死」はさまざまなアーティストのインスピレーションとなり、表現方法となっている。今回の展示では、写真、油絵、考証物、科学見本まで「死」という図解として幅広く紹介。アートは一つのメディアとして、死と体の密接な関係を形として伝えている。
つねに医学が進化しつづけている現代にも、人間は階級にかかわらず、病気によって他界する可能性もあるという、避けられない事実をアートを突きつけている。医者と死神が病人を取り合う写真、戦争と恐怖を表わした「グリーンテーブル」の上に座っている骸骨、スカルのリメイクなど、アートを超えた深い世界を見せる。また、「死」のとらえ方、受け入れ方の違いを国ごとの作品によって提示。さらに、会場の出口には3000本のプラスチック素材の白骨で作られたシャンデリアを飾っており、独特な世界観に圧倒される。
死を連想させる作品がずらりと並んだスペース。「死に向かう運命」を感じさせてくれる、非常に珍しいアート展といえる。