『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』｜The National Museum of Art, Osaka
The National Museum of Art, Osaka｜国立国際美術館
近作から代表作まで展示される西日本ではじめての大規模な個展
『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』
世界的に活躍するドイツ出身の写真家、ヴォルフガング・ティルマンス（Wolfgang Tillmans）の西日本でははじめてとなる大規模な個展『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』。7月25日（土）から9月23日（水・祝）まで、大阪市・中之島の国立国際美術館で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
イギリスのターナー賞に輝いた注目の現代アーティスト
1968年にドイツで生まれたヴォルフガング・ティルマンス。1990年代初頭から彼を取り巻く日常的な光景を捉えた写真に世界が注目、現在はベルリンとロンドンを拠点に国際的に活躍している。現代美術最大の称号ともいえるイギリスのターナー賞に輝くなど、現代写真表現のフロントランナーともいえる存在だ。
特に雑誌『i-D』や『Interview』への掲載は彼の名を世に知らしめ、街頭の若者や身近な友人たちのポートレート、さらにセクシュアリティーやジェンダーといった今日的なテーマへの問いかけなど、私的な部分と社会意的な要素が混在するような作品で知られている。
日本の美術館では2004年以来となり、西日本でははじめての大規模展となる本展。ティルマンス自身がデザインしたというインスタレーション性の高い展示空間では新作、日本初公開となる写真作品など200点近くを展示する。
そのなかには、近年彼が力を入れているプリントされたメディアを折り曲げ、ねじることであらたな表情を得た作品や、昨年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で発表され、大きな反響を呼んだ映像作品「Book for Architects」など多彩な作品が展開される。
astro crusto, a, 2012
Wolfgang Tillmans /Courtesy of Wako Works of Art, Tokyo
また期間中の8月2日（日）、9月13日（日）には、国立国際美術館の主任研究員の植松由佳氏によるギャラリー・トークなどのイベントも開催される。
同時代性を意識しながら、写真により私たちが生きるこの社会のすがたを浮かび上がらせてきたヴォルフガング・ティルマンス。世界に大きな影響を与えながらも日本ではなかなか触れられなかった彼の作品に接することができる貴重な機会だ。
paper drop Prinzessinnenstrasse, a, 2014
Wolfgang Tillmans / Courtesy of Wako Works of Art, Tokyo
『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』
会期｜7月25日（土）～9月23日（水・祝）
※月曜休館。ただし。9月21日（月・祝）は開館
時間｜10:00～17:00 ※金曜日～19：00（入場は閉館30分前まで）
会場｜国立国際美術館
大阪市北区中之島4-2-55
観覧料｜一般900円、大学生500円
国立国際美術館
Tel.06-6447-4680
http://www.nmao.go.jp/