プラダ財団、ミラノにあたらしいアート複合施設をオープン|PRADA
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プラダ財団、ミラノにあたらしいアート複合施設をオープン
プラダ財団は、10棟からなるアート複合施設をミラノにオープン。常設展示のほか、つねに多彩なエキシビションを開催しアートを一般の人びとと共有できる空間を目指していく。
Text by KUROMIYA Yuzu
ウェス・アンダーソン監督がデザインしたカフェも設置
レム・コールハース率いるOMAが手がけたミラノの新施設は、1910年代に建てられた蒸留所を改築。7つの既存の建物に、「ポディウム」「シネマ」「タワー」の新建造物を組み合わせた連結式の建築構造が特徴だ。“建築の保存”と“あらたな創造”という2つの条件を共存させ、それらが対峙し、永遠に作用し合うというコンセプトを採用。建物はミラノ南部のラルゴ・イザルコに位置し、1万9000平方メートルの総面積を誇る。
現在ポディウムでは、サルヴァトーレ・セッティスとアンナ・アングイッソラが共同企画した「Serial Classic(連続する古典)」展を開催中。古典彫刻に注目し、ローマ文化における独創性と模倣性との曖昧な関係とギリシャ美術に敬意を表した大量生産品の流通の重要性について探っていく。シネマでは「ロマン・ポランスキー:マイ・インスピレーションズ」と題されたプロジェクトを実施。そのほかにも倉庫や貯水庫などさまざまなスペースでエキシビションがおこなわれている。なお、タワーは後日オープン予定。
エントランスには、米国人映画監督ウェス・アンダーソンがデザインした「バー・ルーチェ」を併設。50年代から60年代のイタリア映画にオマージュを捧げたという店内は、ミラノの典型的なカフェの雰囲気を再現。「セットではなく実生活の場をデザインしました。おそらく映画の脚本を書く場所にむいているだろう」とウェス・アンダーソンはコメントしている。
プラダ財団は、現代アートの展示や建築、映画、哲学にかんするプロジェクトを通して現代を分析するための機関として1993年に設立。今回の会場はヴェネツィアの常設施設につづくオープンとなる。