INTERVIEW|グラフィティアーティスト アンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)
Lounge
2015年3月5日

INTERVIEW|グラフィティアーティスト アンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)

TOKYOを愛するグラフィティアーティスト
アンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)

パリのコレットでもピックアップされているグラフィティアート「Mr.A(ミスターエー)」の生みの親であり、さらにはパリと青山にあるクラブ“Le Baron de Paris”の創始者でもある世界的に有名なグラフィティアーティストのアンドレ・サレヴァが、先日開催された『G-Star Tokyo RAW Nights』のキュレーターとして来日した。
パーティでは、「Tagged in Tokyo(東京でタギング)」をテーマに、ペンやスプレイを使ってデニムや壁、さらには人にまで自由自在にマーキング。さらにライブボディペインティングに蒼井そらがモデルとして登場するなど、異色コンビネーションによるアートが誕生する夜となった。
大のトウキョウ好きという彼に、クラブ“ル・バロン”のオープンのキッカケや、グラフィティについて、そしてブランド『G-STAR RAW』との関係など、いろいろとうかがった。

文=金子英史

クラブ“Le Baron de Paris”のはじまり

──パリでクラブ“Le Baron”をオープンすることになったキッカケを教えてください

2000年代のはじめのパリは、クラブとかそういうアンダーグラウンドな文化がかなり盛り下がっていたんだよ。仲間で遊びに行けるようないい音楽がかかっているクラブがぜんぜんなくて──。そのときに、あるヒトがやっていたクラブがあったんだけれど、そこが売春系のクラブだったので、そのヒトが逮捕されたんだよ。
そこがちょうどいい大きさのハコだったので、そのヒトから場所を買い取って、そこをクラブにしたんだ。それが“ル・バロン”のはじまりさ。で、ダフトパンクとか、ボクらの仲のいいDJたちを呼んで、面白いパーティをやりはじめたんだよ。

──なぜ、東京にお店をオープンさせようと思ったのですか?

東京がすごく好きなんだ。
東京のナイトライフ、クラブとかもすごく楽しいし、好きで、ちょくちょく遊びに来ていたんだよ。ボクの仲間たちも東京が好きで、彼らもけっこう来ていたんだよね。だから、「自分たちらしい“何か”ができる場所がほしいね」って話になったんだよ。

マーク・ニューソンもとても親しい間柄なので、彼とも「そんなコトができるクラブがあったらいいね!」という話をしていたので、それでいまの場所を見つけて、一緒にやることになったんだ。
要はパリのル・バロンをはじめたときとおなじような感じで、東京でもはじめたんだよね。

『G-Star Tokyo RAW Nights』

──ル・バロンの内装は、70年代や80年代のヒミツクラブというか、そんな印象がありますが

そう! マークと話しあって、まさに隠れ家的なクラブの感じというか、70年代終わりから80年代のちょっといかがわしい、いわゆるストリップ小屋みたいな感じを出したんだ。
パリのル・バロンももともとそういうデザインで、東京もそれに近いものをつくったんだよ。

──あなたにとって“東京”という街はどのような街なのでしょうか

非常に居心地のいい街。モダンで、クリエイティブだし、ファッションにしても、食べ物にしても多彩だよ。それに、みんな好きなものに対して、とことん突き詰める気質があるよね。たとえば、自転車が好きであれば、自転車のコトをすごくつきつめる。そういう気質があっていいなと思うね。
ボクは日本のヒトたちと共感できるものをすごく感じていて、ボクのグラフィティの作品に関しても、日本のヒトたちはすごく興味をもって、いつもいい反応を示してくれる。だから、とてもいい関係を築けていると思うよ。

──ちなみに、日本の食べ物で好きなものはありますか?

日本食はどれも美味しいから好きだよ。

『G-Star Tokyo RAW Nights』

──今回の「RAW Nights」でのパフォーマンスはいかがでしたか?

女のコの肌に直接ペインティングをしていたんだけれど、柔らかかったのが……うれしかったね(笑)。

──ブランド『G-STAR RAW』とあなたとの関係について、いままではどのようなカタチだったのでしょうか?

関係が密接になったのは、今回の「RAW Nights」のキュレーターをお願いされてからという感じで、最近なんだけれどね。でも、仲のいいマーク・ニューソンがデザインをコラボレーションしていたりするので、オーナーたちとも会ったこともあるし──。
それに友人が「RAW Nights」のオーガナイズをやっているという縁もあって、今回はキュレーターをつとめることになったんだよ。

アンドレ・サレヴァ インタビュー(後編)へつづく

『G-Star Tokyo RAW Nights』とは
2008年、デニムのスペシャリスト『G-STAR RAW』は、世界の大都市で、各ジャンルで活躍するアーティストがホストとなる、定期的なクラブ・イベント「RAW Nights」をスタート。
青山のラウンジ“Le Baron de Paris”にて昨年7回にわたりこのイベントは開催され、写真家のHiromix、伝説的バンドDuran Duran、ファッション・ディレクターの祐真朋樹、インダストリアルデザイナーのマーク・ニューソン、俳優の浅野忠信、そのほかのアーティストをキュレーターに迎えている。

G-Star International
Tel. 03-3470-9881
www.g-star.com

           
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