映画『レッドクリフ PartⅡ ─未来への最終決戦─』 トニー・レオン インタビュー(前編)
映画『レッドクリフ Part 2 -未来への最終決戦-』公開記念
トニー・レオン インタビュー(前編)
ふたりの女性、“小喬”と“尚香”の魅力
公開各国でいまもなお大ヒットを記録しているアクション映画の巨匠ジョン・ウー監督による『レッドクリフ』。
『三国志』最大の見せ場である“赤壁の戦い”を描いた本作品は、前編と後編の2部構成で、パート1では、劉備や天下の奇才である諸葛亮と曹操の大軍との戦いを中心に、孫権や名将と名高い周瑜との出会い、そして赤壁の戦い直前までの流れを中心に描かれている。
待望のシリーズ第2弾が、2009年4月10日(土)より公開され、そのクライマックスを迎えることとなる。
今回は、木村拓哉などが出演したウォン・カーウェイ監督作品『2046』(2004年)で主演し、各映画作品においても非常に素晴らしい演技で各国の映画ファンを魅了する、本作では静かなる武将の周瑜を演じた、香港が生んだ名優 トニー・レオンさんに、2回にわたって『レッドクリフ』の魅力について語っていただいた。
文=オウプナーズ
撮影を進めながら、この周瑜という人物像を発展させていった
──今回の映画『レッドクリフ』で、監督や共演者から影響を受けたことはありますか?
今回の仕事は、ボクのなかではとにかく“任務”であったと思っています。
じつは撮影がはじまる前から終わるまで、製作の規模がこれだけ大きく、とても多くの人が関わっていたので、完成は難しいんじゃないかと思っていました。
でも、完成したときに、みんなでチカラを合わせて、あきらめさえしなければ、どんな困難なことでも実現は可能となるということを思いましたね。
ボクにとっては、非常に貴重な経験で、とても印象の深い仕事でした。
──今回の周瑜という役づくりに関して、どのようなアプローチをしたのでしょうか?
この映画に出演すると決まってから、すぐクランクインになったので、それほど役づくりの時間はなかったのです。
だから今回に関しては、撮影をしながらこの周瑜という人物像を発展させていくという方法をとりました。
それは、わたしにとってははじめてのことで、とてもいい経験になりましたね。
──今回の撮影で、いちばん印象に残っている大変だったシーンはどこでしょう
やはり屋外のロケが非常に大変でしたね。
夏場の撮影でしたので、気温は高く、衣装は重いし、それでいてアクションもこなさなければならない。かなり大変でした。
──この映画がアジアで大ヒットした要因はどこにあると感じますか?
それは、この映画のもつスケール感と、役者やスタッフの組み合わせではないでしょうか。
今回、ジョン・ウー監督はハリウッドに進出してから十何年ぶりにアジアに戻って、この映画を撮ったのですが、香港や台湾、中国の優秀な役者やスタッフたち、そしてアジアの観客のみなさんがとても期待できるような体制で製作ができたからだと思います。
しかも、物語は誰もが知っていますしね。
ジョン・ウー監督が戦いのなかで描き出すふたりの女性とは
──共演された金城武さんとリン・チーリンさん、それぞれの魅力を教えていただけますか?
金城さんとは、以前も『傷だらけの男たち』という映画でご一緒したことがありまして、お互いによく知っているのです。ですから、一種の暗黙の了解みたいなものもあるんですね。
撮影のときに現場で見かける彼は、監督に「こういうふうに演じたい」とか、「ああしたい」とか、よく議論をしています。彼は自分の考えをしっかりもっている役者なんですよ。
リンさんは、初めての映画出演とはいえ、努力型で、本当に聡明な女性でした。
撮影に入る前からしっかりと準備されていて、彼女との仕事は本当に楽しかったです。
──そのリンさん演じる“小喬”と“尚香”、ふたりの女性の魅力は?
小喬は、ココロやさしく、たとえれば、水のようなさらさらした女性。
一方、ヴィッキー・チャオさんの演じた尚香は、さっぱりしていて、率直で素直で、男の子みたいな女性。
この映画で、ウー監督が描いたふたりは、やさしい部分と知恵の両方をもっていて、もちろんやさしさや美しさだけではなく、ひとを深く想う気持ちがあり、自己犠牲の精神ももっているのです。そういった部分が魅力だと思いますね。
『レッドクリフ PartⅡ ─未来への最終決戦─』
2009年4月10日(土)よりTOHOシネマズ、日劇ほか全国超拡大ロードショー中!
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン/金城武/チャン・フォンイー/チャン・チェン/ヴィッキー・チャオ/フー・ジュン/中村獅童(特別出演)/リン・チーリン/ユウ・ヨン/ホウ・ヨン/トン・ダーウェイ/ソン・ジア/バーサンジャプ/ザン・ジンシェン/チャン・サン
製作:テレンス・チャン/ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー/カン・チャン/コー・ジェン/シン・ハーユ
撮影:リュイ・ユエ/チャン・リー
美術:ティム・イップ
音楽:岩代太郎
衣装:ティム・イップ
配給:東宝東和/エイベックス・エンタテインメント
2009年/アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/144分/35mm/シネマスコープ/ドルビーデジタル
関連サイト:日本
http://redcliff.jp/