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2015年5月7日
第23章 値上げラッシュの表顔と裏の顔
第23章 値上げラッシュの表顔と裏の顔
文=今 静行
家計を直撃
おそろしい勢いで、日本中に値上げの波が押し寄せています。2007年はじめの原油相場は1バレル=50ドル前後でしたが、年末にはざっと倍に跳ね上がっています。誰がこれほどの値上がりを予想できたでしょうか。
レギュラーガソリンは1リットル=150円台が当たり前となり、軽油も灯油も想像以上の値上りで、家計部門は不安心理のかたまりになっています。タクシー料金、食料品やビールなど私たちの身のまわりに値上げが続いております。
異様な今回の値上げの動き
現在の値上げはこれまでに見られない異様な動きなことに気づいてほしいと思います。
一般的にというか理論的には、個人消費が高まって、つまり需要の活発化が引きがねになって物価上昇をまねくというのが普通の動きです。
ところが今回は原油の大幅値上げ、小麦、大豆など穀物価格の上昇など、これまでの一般的な物価上昇とまったく異なっています。言ってみれば“悪質な価格上昇”なのです。
困ったことに原油高、小麦など穀物上昇は世界的なものであるとともに恒常的に上昇を続けるだろうということです。高止まりに対応する心構えをもってください。安易な生活設計は止めるべきです。