第7回 葉巻の産地:キューバ編
第7回 葉巻の産地:キューバ編
最高品質の葉タバコがうまれる国
web shopping rumors の“THE CIGER MUSEUM”で売られているのはすべてキューバ産。現在24ブランド、152種をご紹介しています。お好きなブランドの葉タバコを燻らせながら、キューバ編をどうぞ。
text by HIROMI Mamoru
キューバの国名の由来とは
キューバ島はカリブ海に浮かぶ島々のなかでも最大の面積を誇ります。
ラテンアメリカ唯一の社会主義国家で、アメリカ合衆国政府からは経済制裁を40年以上にわたって受けています。
このことはタバコ産業にも大きな影響を及ぼしています。もちろん、キューバ産の葉巻はアメリカ合衆国には一切入っていません。キューバ側は輸出を望んでいますが、米国側が輸入を拒否しているためです。
そのため、キューバのシガーはそのほとんどがヨーロッパに向けて輸出されます。なかでも宗主国であるスペインへの輸出は全体の約40%を占めています。
最近シガーブームといわれている日本への輸出量(香港を経由)は全体からみると、わずか1%にとどまっています。
キューバにおけるタバコの歴史は古く、コロンブスによってキューバ島が発見されるずっと以前から、この島の原住民は野生のタバコを葉巻のカタチにし、吸っていました。
なかでも有名なのはタイノ族と呼ばれるインディオで、葉巻のサイズの名称にもなっています。キューバという国名も「中心地」という意味のタイノ族の言葉“クバナカン”(Cubanacan)が由来であるとされています。
国営会社がつくるブランド葉タバコ
現在のようにタバコ栽培が行われるようになったのはスペイン領となってからです。今日、キューバでは葉タバコ産地を5つに区分しています。
1)ブエルタ・アバホ
2)セミ・ブエルタ
3)パルティド
4)レメディオス
5)オリエンテ
このうち、キューバ島の西部、ピナール・デル・リオ州に位置しているブエルタ・アバホ、セミ・ブエルタ、ラ・ハバナ州に位置しているパルティドの3つの産地から最高品質の葉タバコが産出されます。
現在のキューバでは、昔の日本の専売公社のようにシガーを生産する会社は国営の1社のみとなります。このなかに多くのブランドが存在するのです。
キューバの葉巻すべてを輸出している半官半民の会社Habanos S.A.の株式の50%はアルタディス社(フランス国営のセイタとスペイン国営のタバカレラが合併して誕生した会社)が保有しており、消費国が生産国を経済的に支配する力関係になっています。
輸出用葉巻の製造は、ほとんどが首都ハバナの葉巻工場で行われ、主な工場には「パルタガス工場」(パルタガス、ラモン・アロネス、ボリバー、グロリア・クバーナ等を製造)、「H.アップマン工場」(モンテクリスト、H.アップマン等を製造)、「ラ・コロナ工場」(オヨ・デ・モンテレイ、パンチ等を製造)、「エル・ラギート工場」(コイーバを製造)などがあります。
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