THEATER|教授が感銘を受けた『バベル BABEL(words)』東京公演
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2015年5月27日

THEATER|教授が感銘を受けた『バベル BABEL(words)』東京公演

THEATER|坂本龍一が感銘を受けた『バベル BABEL(words)』が日本初演

バベル BABEL(words)』をいますぐ目撃せよ!

彫刻家アントニー・ゴームリーによる5つの大きな直方体フレームの舞台装置が、パフォーマーたちによって次々とフォーメーションを変え、領土、陣地、自室、リングなど、自と他を分かつ見えない壁や境界となる ―― 問題作『Foi』、『Myth』につづくシェルカウイ三部作の完結編となる『バベル BABEL(words)』が、今夜、札幌国際芸術祭2014でのパフォーマンス公演を迎え、東京公演を8月29日(金)~31日(日)に開催する。

Photographs by Koen BroosText by KAJII Makoto (OPENERS)

教授が『バベル BABEL(words)』を熱く語る

以下、坂本龍一氏によるコメントを掲載する。

「アートが中心なんですけど、パフォーマンス部分も、もちろんあります。前回の番組でも紹介しましたけども、私がほんとに感銘を受けて、今回、日本初演となりますね、シディ・ラルビ・シェルカウイという、ベルギーのひとの『バベル BABEL(words)』という作品です。“バベルの塔”のバベルですね。あそこでまあ、言語が分かれて人間同士がコミュニケーションし難くなったという……ことを受けた作品なんですけども。亡くなったピナ・バウシュの次の世代を担う、トップのひとじゃないかなと僕は思っている、ほんとに才能のあるシディ・ラルビ・シェルカウイですけども。まだ40代ですかね、これからという感じで。

でね、ここではその『バベル BABEL(words)』という作品に、初回から演奏者として加わっている、“鼓童”っていう新潟県の佐渡でやっている太鼓の集団にいらっしゃって、いまでは海外で活躍されている吉井盛悟さん。今回も日本に来ると思うんですけど、その吉井さんからメッセージが届いています」

以下、吉井盛悟氏から坂本氏に寄せられたメッセージを掲載する。

「坂本さん、こんにちは。『バベル BABEL(words)』に、日本の音楽家として参加している、吉井盛悟です。私はですね、日本の太鼓と笛、それから胡弓、歌、日本の民族音楽を担当しておりました。ほかに音楽家はイタリアの古楽演奏家、インドの音楽家はハーモニウムや歌、もうひとりタブラの演奏家などです。イタリアの古楽演奏家は理論に満ちています。それに対してインド音楽家というのは“口唱歌(くちしょうが) ”と言って、音楽をぜんぶ言葉に直すんですね、彼らは表音文字で345ぐらい音を言葉にして書けるので、それで音楽を作っていくので、そもそもそのイタリア勢の音楽と、インド勢の音楽の根本が違うので、それで音楽を作るのは非常に難しい作業でした。

私は西洋音楽譜で太鼓を演奏することもありましたので、ちょうど間を取り持てるように、いわゆる外交的なことをやっているようなつもりで音楽をやっていたわけですけども。“音楽は国境を越える”とよく言いますけど、単純にまあセッションのようなレベルでは、やはり国境は越えられると思うんですけど、ひとつの音楽を作っていくというのは、なかなか容易にできることではなくてですね、その辺りが非常に勉強になりました。ある意味ナンセンスでもあるんですけれども、今回の舞台で言ったら……バベルの塔を築いて、それこそ言葉が分断されてばらばらになってしまった。で、それをもう一度こう、結びつけていくような、そんな作業を一からしたような心地になりました。

そこが単なる舞台というか、ひとつのプロジェクトのように自分自身は感じていて、それを日本の皆さまに4年前から、もうぜひ観てもらいたいとずっと思っていたんですけれども、今回それが実現するということで感謝しておりますし、ちょっと緊張してですね、昨日も夢に見ちゃいまして。まだちょっと自分の中で練習が間に合ってない部分があるのに、幕が開いてしまうという夢を見てしまっています。これからどんどん気合いを入れて、練習間に合うようにしていきますので、4年振りに舞台に立ちたいと思います。今回、皆さまにまた、足をお運びいただけたらうれしく思っております」

日本公演を迎えるにあたって

この舞台は「境界線と言葉」が重要な要素です。対立やつながりを舞台のなかで表現しています。難しく感じるのではなく、めくるめく変化する舞台に身体をゆだね、自由な感覚で楽しんでもらいたいです。我々も観客とともに楽しみたいと思います。(振付家シディ・ラルビ・シェルカウイ)

この作品はいろんな要素が重層的に折り重なっています。10を超える国から集まった国際色豊かなダンサーによる舞台は、それぞれの言葉が飛び交い、どんどん舞台が変化します。その表現のなかにある身体的なエネルギーを感じてほしい、とにかく心をオープンにし楽しんでほしいと思います。(ダミアン・ジャレ)

札幌国際芸術祭2014
コンテンポラリーダンス公演「バベル BABEL(words)」

日程|8月22日(金)
時間|開場18:00 / 開演19:00
会場|さっぽろ芸術文化の館 ニトリ文化ホール

『バベル BABEL(words)』東京公演
8月29日 (金) 18:30開場 / 19:00開演
8月30日 (土) 13:30開場 / 14:00開演
8月31日 (日) 13:30開場 / 14:00開演
会場|東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ 11F)
S席 9000円、A席 7000円(税込) ※未就学児入場不可 問い合わせ
サンライズプロモーション東京
navidial_mark_S 0570-00-3337(10:00~19:00)
主催|TBSテレビ / PROMAX
公式サイト|http://www.promax.co.jp/babel_words/

プレイガイド
Bunkamuraチケットセンター|Tel. 03-3477-9999 (10:00~17:30)
オンラインチケットMy Bunkamura|http://www.bunkamura.co.jp/mybunkamura/
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