THEATER|振付家 フィリップ・ドゥクフレの集大成『PANORAMA-パノラマ』
THEATER|アクロバットかつファンタジックなダンスで描く摩訶不思議な世界
振付家 フィリップ・ドゥクフレの集大成『PANORAMA-パノラマ』
フランスを代表する振付家であり、演出家フィリップ・ドゥクフレと彼が率いる「カンパニーDCA」による最新作『PANORAMA-パノラマ』が、6月13日(金)から15日(日)まで、彩の国さいたま芸術劇場で公演。アクロバットでファンタジック、軽やかかつ大胆な不思議の世界が出現する。
Text by YANAKA Tomomi
彩の国さいたま芸術劇場の20周年を飾る舞台
20代前半で自身のダンスカンパニーDCAを設立し、映像や漫画、サーカスを独自に配合したユーモラスな舞台で、若くからその才能を遺憾なく発揮してきたフィリップ・ドゥクフレ。彼の名声を一躍世界に知らしめたのは、31歳のときに演出した1992年「アルベールビル・オリンピック」の開会式と閉会式。巨大なスタジアムに現れた摩訶不思議な生き物が躍動するスペクタクル、そして幻想的な情景は、世界中の人たちを釘付けにした。
また、ドゥクフレは日本とも深いつながりをもつ。1994年の舞台『プティット・ピエス・モンテ』で初来日して以来、彼の奇想天外な舞台は多くの観客の心をつかんできた。2003年には日仏中の共同制作として、横浜と山口で2カ月にわたる滞在制作を経て、日本で『イリス』を初演。本作はその後、パリでのロングラン上演につづき、『2イリス』として再構成され、世界ツアーを成功させている。
彩の国さいたま芸術劇場の20周年という、アニバーサリーイヤーを飾る今回の舞台『PANORAMA-パノラマ』。1980年代初期から現在まで、約30年間にわたって蓄積されたドゥクフレの代表作から“ベスト・オブ・シーン”を再構成した、いわば集大成といえる作品となった。
舞台では、ユーモラスで詩的な空中のパ・ド・ドゥやトリッキーな影絵、コント、シカの角をつけた少女の優雅なソロダンス、カッパのような生き物たちの群舞などがパノラミックに繰り広げられる。本公演はさいたま公演のほか、長野県松本市、北九州市、滋賀県大津市でも公演されるという。
「若いアーティストと仕事をするとともに、若いころにつくった作品の独特なエネルギーに立ち戻ってみたかった」と語るフィリップ・ドゥクフレ。フランスが誇る巨匠が魅せる理屈抜きに楽しく、まるで夢を見ているような舞台は、老若男女すべての人を虜にすることだろう。
『PANORAMA-パノラマ』
☆さいたま公演
日時│6月13日(金)19:30開演、14日(土)・15日(日)15:00開演
会場│彩の国さいたま芸術劇場
さいたま市中央区上峰3-15-1
Tel. 0570-064-939
料金│一般S席5000円、A席3500円、学生(高校生以上)S席3000円、A席2000円、子ども(4歳~中学生)S席1500円、A席1000円
http://www.saf.or.jp
☆松本公演
日時│6月18日(水)19:00開演
会場│まつもと市民芸術館
長野県松本市深志3-10-1
Tel. 0263-33-2200
料金│一般4000円、大学生以下2000円
http://www.mpac.jp
☆北九州公演
日時│6月22日(日)14:00開演
会場│北九州芸術劇場
北九州市小倉北区室町1-1-1
Tel. 093-562-2655
料金│一般5000円、ユース(高校生~24歳以下)3000円、子ども(4歳~中学生)2000円、セット(一般+子ども)5500円
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp
☆大津公演
日時│6月28日(土)19:00開演、29日(日)15:00開演
会場│滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
滋賀県大津市打出浜15-1
Tel. 077-523-7136
料金│一般6000円、青少年(25歳未満)4000円、シアターメイツ2000円
http://www.biwako-hall.or.jp