戸田恵子｜歌にドラマに観劇に、怒涛の2012年ラストスパート

戸田恵子｜秋から冬、怒涛のラストスパートをプレイバック

歌にドラマに観劇に、充実の2012年後半を振り返る（1）

9月のアクトレス「ROUTE 55」アニバーサリーライブがあまりにもゴキゲンだったもので、終了後「この先モヌケのカラになってしまうのではなかろうか……」と我ながら心配していたところ、案の定しばし気分は呆けておりましたが（笑）、いかんせん仕事も容赦なく追いかけてくるわけで。ここで秋から年末にかけ、仕事にプライベートに奔走した怒涛の日々を振り返ります。

Text by TODA Keiko

ドラマ、歌番組、ミニライブ、2年ぶりの社員旅行でスカイダイビングに初挑戦！

「ROUTE 55」アニバーサリーライブのあとは、ライブを演出してくださった堤幸彦監督と岐阜へ特番を撮りに行ったり、東京、名古屋でミニライブ＆サイン会をおこなったりと新人歌手ばりに奮闘。その後はドラマ『悪党』の撮影に入り、渡哲也さんと滝沢秀明さんと共演。私は探偵事務所の事務員役でしたが、こんな“眺めのいい”おふたりがいる会社なら無遅刻、無欠勤で働きたいと思ったものでした（笑）。

ミニライブ＆サイン会

NHK『歌謡コンサート』にも出演。『強がり』以来約5年ぶり2度目の出演です。『家へおいでよ』を華やかに、と番組からリクエストがあり、ダンサーさんたちと一緒に別リハもしましたし、当日も朝から大変でした。なにしろほとんんどの歌手の方が一歩も動かれないというなか、私だけが……（笑）。位置決めからなにからてんやわんやでした。カメリハで急遽トーク後、即裏階段へ廻って登ることになり、またまたてんやわんや。

ドラマ『悪党』

NHK『歌謡コンサート』

朝から本番まで場当たり、サウンドトラック、カメリハと、何度も本息（テストではない本番の声）でトライして、本番若干失速気味（笑）。でもすごく楽しかったし、多くの反響をいただきました。ミュージカルみたいだった、とか、番組が華やいだ、とか。なかでも女優の渡辺えりさんが実家で見ていたらしく、「戸田さん！　すばらしかった！」と即メールをくれて、うれしかったですね。なにしろ久々にアルバムをリリースしたので新聞、雑誌などたくさん取材もいただきました。

スカイダイビング

そして2年ぶりの社員旅行。みんなを労う慰安旅行ですね。今回はいろいろな世界情勢も鑑みて、アジアは避けてグアムへ。私自身久々のグアムでしたが、“ものすごく湿気多くて暑い！”という印象があって、「やっぱりハワイが一番」だなんて思っていたものですが、今回は季節もあるのでしょうが湿気もさほど気にならず、なによりスタッフのひと言でスカイダイビングにトライ！　そんな楽しみがあったなんて今までハワイでもオーストラリアでもなぜ気づかなかったのか（笑）！　上空4200メートルからのダイブはそりゃもう最高でした。

ハロウィンモード一色のグアムで地元のカフェでご飯を食べたり、イルカウォッチングやファイヤーショーを観たりと旅を満喫。つぎはブータンに行きたいな～なんて勝手に思ってます。

戸田恵子｜秋から冬、怒涛のラストスパートをプレイバック

歌にドラマに観劇に、充実の2012年後半を振り返る（2）

だからブロードウェイはやめられない!!

恒例のニューヨーク観劇ツアーも敢行！　今年は8泊10日のオフをいただきました……いただきましたというか死守！　年間スケジュールが舞台など先に決まっているので、空いているところを早めにお願いする体勢です（笑）。あちこちご迷惑をおかけするのですが……（すみません!!）。

ニューヨーク観劇三昧スケジュール

11月20日（火）『The Mystery of Edwin Drood』＄137
11月21日（水）マチネ（午前）『Chaplin』＄135.5
　　　　　　　　　ソワレ（午後）『Newsies』＄227
11月22日（木）『A Christmas Story』＄159
11月23日（金）マチネ『Evita』＄157
　　　　　　　　　ソワレ『Nice Work If You Can Get It』＄147
11月24日（土）マチネ『Bring It On』＄125
　　　　　　　　　ソワレ『Spider-Man』＄159.5
11月25日（日）マチネ『Scandalous』＄137
　　　　　　　　　ソワレ『Bare』＄89.75
11月26日（月）『The Phantom of the Opera』＄137
11月27日（火）『Once』＄150

観劇料金だけでもすごいことになっております（笑）。今回はサンクスギビングデイと重なり、マチネがイレギュラーにたくさん上演されていたおかげで、いつも以上に多くの作品に触れることができました。こうなると観劇も修業なみ（笑）。初日に観た『The Mystery of Edwin Drood』はもちろんチタ・リヴェラがお目当てでしたが、なんとチタは踊りませんでした。もったいないキャスティングだなとも思いつつ、それでも出演するチタにまた意欲というものを感じたのでした。

近々ニューヨークに行く方のために、私がお薦めする新作は『Chaplin』『Newsies』『Scandalous』の3作品。『Chaplin』はご存知、無声映画の帝王チャップリンの波乱万丈な人生を描いた作品でありますが、白黒映画にはじまる舞台装置やオープニングの衣装もモノトーンだったりとハイセンス。チャップリンの半生──私の場合、おなじ演技者の話だからよけいに引き込まれたのかもしれません。苦悩がいっぱいで苦しかったりもするけど、すばらしかった。日本だったら唐沢寿明さんに演じてほしいなと思ったのでした。

『Newsies』は新聞売りの少年たちの話で、高慢な会社相手にストライキを起こすという物語。少年たち、とくに子どもたちが完璧！　彼らすべて分かっているんですよね、驚くほど余裕がある。新聞を使ってのダンスパフォーマンスが印象的でした。

そして圧巻は『Scandalous』、主演はキャロリー・キャーメロ。なんでも実力派の女優らしいのだが、私はブロードウェイで観るのははじめて。女伝道師エイミー・センブル・マクファーソンの波乱とスキャンダルに満ちた半生を彼女が演じるのだけど、まぁなんとタフで深い声！　無尽蔵に声があるのではないかと思ってしまうほど。ブロードウェイのミュージカルスターは皆すばらしい喉を持っていますが、なかでも黒人以外で“圧巻！”という方に稀に出会うことがある。どう転んでも太刀打ちできない、みたいなね。キャロリー・キャーメロはそんなひと。

かつては『モダン・ミリー』や『エニシング・ゴーズ』で昨年トニー賞主演女優賞を受賞したサットン・フォスターに抜群の歌唱力をみた。両者ともに歌い上げる熱唱型。じつによく伸びる声で、苦しくないどころか豊かで余裕がある。あれを毎日歌うのかと思うと、100パーセントに見えて80パーセントの力くらいじゃないとロングランは成立しないと思うのです。ホントに鳥肌が立つ。すばらしい！　だからブロードウェイはやめられない!!　とにかく今年も元気にゆうこりん（三ツ矢雄二さん）と一緒に食べて、寝て、飲んで、観るだけの贅沢ニューヨーク、ブロードウェイ三昧ができて幸せでございました。