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2015年5月27日
THEATER|世界がもっとも注目する振付家、アクラム・カーンのソロダンス最新作『デッシュ』
THEATER|踊りと言葉で自身のルーツをたどる旅
アクラム・カーンのソロダンス最新作『デッシュ』
いま、世界がもっとも注目する振付家のひとり、アクラム・カーンによるソロダンス最新作『DESH-デッシュ』が1月26日(土)、27日(日)、彩の国さいたま芸術劇場で開催される。
Text by YANAKA Tomomi
コンテンポラリーダンスとインドの古典舞踏を融合
コンテンポラリー・ダンスとインドの古典舞踏「カタック」を融合させた独自のスタイルで、異文化を越境するバングラディシュ系イギリス人のアクラム・カーン。
歌姫カイリー・ミノーグたっての希望で振付をおこなったほか、今年のロンドンオリンピックでは、ダニー・ボイル率いる演出チームの一員として、開会式の一場面を振付し、出演も果たすなど、イギリスを代表するコンテンポラリー・ダンスのアーティストとして世界中に多くのファンを持つ。これまでにも『ゼロ度』など、自身のアイデンティティを見つめる作品を手がけてきた彼が、ふたたび自らのルーツをたどり、存在について見つめた自伝的な物語がついに日本でも公演される。
バングラディシュなどで話されるベンガル語で「母国」を意味する『デッシュ』。公演では、母国の人びとの記憶、父が語る母国の記憶、それらと重なり合いすれ違う自身の記憶を、そのしなやかな身体で踊り、言葉で語り継いでゆく。
美術・映像を手がけるのはアカデミー賞受賞経験もあるアーティストのティム・イップ。そして、音楽は映画『アイズ・ワイド・シャット』を手がけたジョスリン・プークと、名だたるスタッフがキャスティングされ、ファンタジックかつ迫力のある舞台が繰り広げられる。
身体と言葉がつむぐ、故郷をめぐる記憶と物語。世界が注目するコンテンポラリー・ダンスの旗手、アクラム・カーン渾身のソロダンスを堪能したい。