THEATER|象の鼻テラス/パークで新作パフォーマンス「bow-wow」上演
THEATER|“ユーモア”とはなにかを主題に展開される身体表現
グラインダーマン、横浜「象の鼻テラス/パーク」で『bow-wow』上演
須藤元気率いるダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」のライブ公演演出や振付協力をしていることでも知られるタグチヒトシ氏。彼が主宰するパフォーマンスグループGRINDER-MAN(グラインダーマン)が、9月20日(木)から23日(日)にかけて、横浜・象の鼻テラスにて新作パフォーマンス「bow-wow」を発表する。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
うれしいから吠えるのではない、吠えるからうれしいのだ
現代アートからのパフォーマンスユニット、GRINDER-MAN(グラインダーマン)は、身体とテクノロジー、身体とサイエンスといった異分野とのコラボレーションに積極的に取り組み、独創的なアプローチによるユニークなパフォーマンス作品をつぎつぎに生みだしている。
2011年に金沢21世紀美術館で発表した「SONAR」では、観客にスマートフォンを配布し、観客は美術館内を移動しながら作品を体験。今夏、脳科学者の藤井直敬氏とともに日本科学未来館で発表した「MIRAGE」では、代替現実技術(SRシステム)を使用した。エイリアンヘッドと呼ばれるシステムを装着した体験者は、あらかじめ用意された「現実」をこっそりとさしかえられて、当たり前と感じている「現実」がじつは極めて曖昧なものだと気づかせてくれるのだ。
そんな彼らが9月に上演する新作パフォーマンス「bow-wow」では、顔の筋肉を収縮させる身体表現、いわば「表情」に着目する。会場である象の鼻テラスとその周辺空間を広く活用し、移動しながら観覧する観客と演者の遠近に、感情表現をかけあわせる。“感情の容れ物としての身体”という、あらたな視座に焦点をあわせる彼らの新作に注目したい。
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GRINDER-MAN|グラインダーマン
現代美術を出発点に演者と観客の相互作用を空間化するパフォーマンスグループ。 デザインされた人類、あるいは生きるためのルールを自ら課したヒトとして、頭部に立方体のハコを身につける。
2005年から「群と個」をテーマにした公演作品「MUSTANG」シリーズを開始。正面が取り払われた舞台空間を観客は移動して、高い身体性を備えた演者の直接的なアクションが、観る者の身体、精神を揺さぶる感覚を提示する。
2011年2月には音楽にevalaを迎えてのシリーズ最新作「MUSTANG Colors」を神戸アートビレッジセンターにて上演。3月には金沢世紀美術館にてスマートフォンを使用した新作パフォーマンス「SONAR」を発表している。2011年4月にはスパイラル主催の東北地方太平洋沖地震復興応援企画にて、ダンサー約30名によるパフォーマンス「アートのちから」をプロデュース。2012年8月には理化学研究所脳科学総合研究センターが開発したSRシステム(代替現実技術)を用いて先駆的なパフォーマンス作品「MIRAGE」を日本科学未来館にて発表。須藤元気率いるダンスパフォーマンスユニット 「WORLD ORDER」の舞台演出や振付協力など、作品発表と並行して外部への表現提供もはじめており、様式を問わない表現志向は舞台空間にとどまらない。
公式HP|http://grinder-man.com
ZOU-NO-HANA-TERRACE DANCE NIGHT VOL.5
GRINDER-MAN「bow-wow」
作・構成・演出=タグチヒトシ
演出・振付・出演=伊豆牧子
出演=三橋俊平、東山佳永、梨本威温、エノモトユキ、伊東歌織、 大園康司、keke
音楽=今井 悠
日時|2012年9月20日(木)19:30~、9月21日(金)19:30~、9月22日(土)19:30~、9月23日(日)19:00~
会場|象の鼻テラス/パーク
神奈川県横浜市中区海岸通1丁目
Tel. 045-661-0602
チケット|前売3200円、当日3500円
※日時指定/全席自由
※学生料金|前売、当日とも500円引き(当日受付にて学生証提示)
※未就学児童の入場不可
※受付、当日券発売は開演の30分前から象の鼻テラス入口で開始。
※小雨決行/雨天の場合は雨具をご用意ください。荒天の場合は中止となる可能性があります。ウェブサイト(bow-wow.grinder-man.com)にてご確認ください。
www.zounohana.com
<ポストパフォーマンストーク>
9月20日(木)|藤井直敬(理化学研究所 脳科学総合研究センター 適応知性研究チーム チームリーダー)
9月21日(金)|小泉雅生(設計事務所・小泉アトリエ 主宰)
9月22日(土)|天野太郎(横浜美術館主席学芸員)