EVENT|次世代エネルギーの“今”を体感!
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2015年5月14日

EVENT|次世代エネルギーの“今”を体感!

EVENT|太陽電池・燃料電池メーカーなど、国内外から1950社が集結

世界最大級の国際展示会「スマートエネルギーウィーク」開催

東日本大震災以降の防災意識の高まりを背景に、国は補助金や買取制度などのエネルギー政策を積極的に打ち出している。そんなかつてないほど次世代エネルギーに注目が集まるなか、太陽電池・燃料電池・エコハウスメーカーなど、国内外から1950社が一堂に会した国際展示会「スマートエネルギーウィーク 2012」が、2月29日(水)から3月2日(金)まで東京ビッグサイトで開催された。

Text by TANAKA Junko (OPENERS)Photographs by Reed Exhibitions Japan Ltd.

日本最大、世界最大規模の展示会を7つ同時開催

そのいずれもが“日本最大”、“世界最大”という大規模な展示会が7つも同時開催され、会場はいわば次世代エネルギー業界の縮図といった様子。3日間に訪れた人の数も過去最高の約8万人を記録し、会場内は熱気にあふれていた。

まずは、今回で5回目となる国内最大規模の「太陽電池展~PV EXPO 2012~」。シャープやパナソニック、ソーラーフロンティアなどの日本メーカーはもちろん、太陽電池の生産量で2010年に世界2位を獲得したJA SOLAR HOLDINGS(中国)をはじめ、世界の太陽電池市場で勢力を増すばかりの中国メーカーや台湾メーカー、今回が初出展となるISOFOTON、SILIKEN(ともにスペイン)などの欧州勢がブースを構えている。

スマートエネルギーウィーク 2012|02

スマートエネルギーウィーク 2012|03

ここでは大手の太陽電池メーカーにとどまらず、従来のソーラーパネルの概念を打ち破る軽量で半透明な「有機薄膜太陽電池」の量産化に世界ではじめて成功したコナルカ・テクノロジーズ(アメリカ)の日本法人や、海岸沿いにも設置が可能な国内初の“錆びない”ソーラーパネルを手がけるパワーバンクシステム、ステンドグラスのようにカラフルでデザイン性に富んだソーラーパネル「グレッツェル・セル」を紹介していたスイス・ソーラー・パビリオン(スイス)など、訪れた人の意表を突くようなユニークな太陽電池を扱うブースも数多く出展中だ。太陽電池展の次は、ソーラーパネルを設置するときに欠かせない施工業者が集結する国内では唯一の展示会、「太陽光発電システム施工展~PV システム EXPO 2012~」に向かう。

2012年7月にはじまる「再生可能エネルギーの全量買取制度」を前に普及が見込まれている太陽光発電。その目玉ともいえる一般向けのソーラーパネルだが、発電量が天候に大きく左右されることがネックだ。太陽の光の少ない時間や気候にどう対処するか……それが一番の課題といえる。ここでは雨や風、雪にも耐えられるソーラーパネルや、太陽の動きに合わせてソーラーパネルの向きをコントロールする電動式架台、より長く効率よくソーラーパネルを発電させるために必要なメンテナンス技術など、ソーラーパネルの“影の立役者”である最新の施工技術が紹介されていた。

スマートエネルギーウィーク 2012|04

スマートエネルギーウィーク 2012|05

また、8回目の開催となる世界最大規模の「水素・燃料電池展~FC EXPO 2012~」に目を向けてみると、なにやら自動車メーカーのブースが盛り上がっている。2015年の市販化を前に熱い視線がそそがれている、“究極のエコカー”との呼び声も高い燃料電池自動車(FC)の試乗会が行われているようだ。軒並み顔をそろえていたトヨタ、日産、ホンダなどの自動車メーカー各社は、近未来自動車の乗り心地を試そうと押し寄せた人の関心の高さに驚きを隠せないようだった。

会場では、そのほか断熱資材やヒートポンプ、LED照明などエネルギー建材・省エネルギー製品を紹介する「エコハウス&エコビルディング EXPO」、「二次電池展~バッテリー ジャパン~」、「加工技術展~エネテックジャパン 2012~」、2018年度を目処に、東京電力が約1700万世帯にスマートメーター(次世代電力計)を設置すると発表したことも記憶に新しい注目のスマートグリッドの展示会「スマートグリッド EXPO」が同時に開催された。

訪れる人の多さもさることながら、会場のいたるところで熱いやりとりが交わされていたのが印象的だった。こうしたやりとりのなかから、環境に優しくかつ実用的な新しい次世代エネルギーのアイデアが生まれることを期待してやまない。

           
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