萩原輝美 連載 vol.165|2017-18秋冬ミラノコレクション
プラダのハイブリットフェミニティ
グッチのメンズ&ウィメンズ119ルックのビッグコレクション
2017-18秋冬ミラノコレクション
ロンドン、ミラノ、パリと2017-18秋冬コレクションが出揃いました。この秋はあったか素材に刺しゅうやビーズ、フリンジやフェザーなど手技を加え、フェミニティにスポーツテイストを加えたルックが目立ちます。ニューボリュームも着崩すのではなく、きれいなフォルムで引き続き登場しています。
Text by Terumi Hagiwara
プラダのハイブリットフェミニティ
2017-18秋冬コレクションサーキットもミラノ、パリと続き終了しました。数多くのコレクションを見ていると、それぞれのメゾンから共通する時代のムードを感じます。どのメゾンもヘリテージを大切に服作りを追求しながら、ニューボリューム、スポーツテイストを絡ませています。
プラダは会場の壁面に1960年代活躍したイラストレーター、ロバート・マクギニスをイメージしたオリジナルアートを飾りました。客席のあちこちにボアのクッションを置いたベッドが置かれ何とも妖艶。女性の部屋のイメージです。コレクションは、コーデュロイのジャケットやコートの下に手編みニットブラをのぞかせワイドパンツと合わせています。ロングマフラーやハンチングがボーイッシュです。アルパカにビーズ刺繍を施したニットにフェザースカートのコーディネイトはフェミニン。ジャガードニットのアンサンブルにファーの帽子は大好きなルックです。温かみのある素材にプリントやビーズ、フェザーを加えイメージもハイブリットしてプラダのフェミニティが完成です。この秋はフェザーアイテムが気になります。
グッチのメンズ&ウィメンズ119ルックのビッグコレクション
グッチは新しいショールームでメンズ、ウィメンズ合わせて119ルックのビッグコレクションを披露しました。モデルたちは、ガラスで覆われたセンターのピラミッドのまわりをまわるように交差します。パフスリーブのロングドレスにジャガードニットのアンサンブル。それぞれのルックに、帽子にネックレス、刺繍タイツにパイソンブーツとプレタポルテとは思えないバリエーションです。柄と柄、色と色、アニマルと花を掛け合わせ、クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの世界が炸裂します。でも1点1点見てもどれもリアルで着易いアイテムばかり。「僕には流行遅れの服なんてない。好きな服はいつまでも着ればいい」とミケーレさん。毎シーズンのトレンドを発信するのではなく、グッチスタイルが確立している所以です。私のお気に入りは紺ベルベッドのアンサンブル。アクセサリーで遊びたい服です。ベルベッド素材はこの秋一番のトレンドになりそうです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/