萩原輝美 連載 vol.156|グッチ、プラダ、ボッテガ・ヴェネタの2017年春夏コレクション
色、柄、光が炸裂――アレッサンドロ・ミケーレのグッチ
シンプルアイテムをベラクロで包み込む――プラダ
ブレラ国立美術学院で見せたボッテガ・ヴェネタのエレガンス
2017年春夏ミラノコレクション
ミラノコレクションは、それぞれのブランドが新しい女性のイメージを作り上げながら、リアリティのあるコレクションを並べました。肩の量感、袖のボリュームは先シーズンから引き継ぎ、全体にはロングシルエットが目立ちます。
Text by Terumi Hagiwara
色、柄、光が炸裂――アレッサンドロ・ミケーレのグッチ
2017年春夏ミラノコレクションです。グッチのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの挑発が止まりません。コレクション会場のあちこちで、秋冬の新作を着たグッチガール、グッチウーマンを見かけます。
グッチのコレクション会場は、細長い倉庫にピンクのソファーとモビールカーテンをあしらい妖艶な雰囲気です。グリッター素材にスパンコール、スタッズに刺しゅうと、盛りたくさんの色と柄を掛け合わせます。トラに蛇、ドナルド・ダックも登場するモチーフプリントは、毒とユーモアを混在させます。スーツとロングドレスを中心にメンズも合わせて75ルックを披露しました。スワロスキーのサングラスにウェッジソールでルックが完成です。ドレスはコーディネイト不要の着こなし易いアイテムです。大胆なプリント柄を楽しみたい。
シンプルアイテムをベラクロで包み込む――プラダ
プラダのコレクションは、タブをあちこちつけたシンプルなスカートやトレンチコートを並べました。現代の複雑社会から女性を守るために、ベラクロのタブでボディを包み込む。というスタイルです。シンプルなシャツにミドルフベスト、ラップスカートのコーディネイトに羽やサマーミンクのショールがアクセントを添えます。羽付シノワズリー刺しゅうのパジャマスーツがエレガントです。挑戦したいアイテムです。
ブレラ国立美術学院で見せたボッテガ・ヴェネタのエレガンス
ボッテガ・ヴェネタは、ブランド生誕50周年とトーマス・マイヤーがクリエイティブ・ディレクターに就任して15周年記念のレディス,メンズ合同ショーが行われました。会場はクラシックなブレラ国立美術学院の回廊。クロコダイルやオーストリッチなどのプレシャスレザーのジャケットやコートが勢ぞろいです。ウエストから広がるAラインドレスがエレガントです。ヌードカラーにベージュ、ライトグレイのミストカラーの一連が品良く美しい。ベージュの麻素材に黒の刺しゅうトリミングされたドレスは夏一番に着たいお気に入り。素足にペタンコサンダルを合わせたい。フィナーレはスタッフの職人一同が登場しました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/