White Flags|2013-14秋冬の新作をデザイナー・小此木達也が語る
White Flags|ホワイトフラッグス
2013-14秋冬の新作が到着
デザイナー・小此木達也にインタビュー(1)
2011年の秋冬からスタートし、今回で5シーズン目を向かえるシューズブランド「White Flags(ホワイトフラッグス)」。独特のモード感で人気を博し、パリでのデビュー以来、世界各国で展開を拡大しつづけている。デザイナー・小此木達也(おこのぎたつや)氏に、最新コレクションの全貌を聞いた。
Photographs by MIKAMI MakotoText by IWANAGA Morito(OPENERS)
テーマは“スポーツ”
──2013-14年秋冬コレクションのイメージは?
今回はスポーツテイスト。スポーツ感のあるラグジュアリーがテーマです。言葉を変えたら、ナショナルブランド的なところをモードにモディファイしたということですね。そして、もともとあるホワイトフラッグスのモデルを進化させたというところもポイントです。
ホワイトフラッグスはスーツに合わせて履きたいスニーカーとして提案しています。もちろん海やリゾートで履いても、まったく問題はないですが、基本はスーツに合うというところから発信していますね。
──今回は全4型ですね。
本当はもっと多くの型をデザインしていたのですが、提案したいスタイルを考えて厳選しました。
パンツの丈って流行で変わりますよね。春夏ほどではないですが、最近は秋冬でもパンツの丈が短い。フルレングスだったらハイカットのほうが裾を被せて履きやすいのですが、クロップド丈ではバランスが悪くなる。ローカットのほうが靴下で調整できたりするので、自由度は高いんですよ。
一番聞かれるのが、これはどんなパンツに合わせて履いたらいいですか?というところからです。それは作り手や伝える側が気にしてやらなくてはいけないことだと思いますね。だから、デザイナーはスタイリスト的な感覚をもって提案するべきだと考えています。
White Flags|ホワイトフラッグス
2013-14秋冬の新作が到着
デザイナー・小此木達也にインタビュー(2)
Photographs by MIKAMI MakotoText by IWANAGA Morito(OPENERS)
素材の性質を理解する
──特筆すべきディテールはありますか?
今回はキルティングですね。一番最初にデザインして継続してつづけている「アンリ」というモデルに、キルティングをほどこした「アンリ キルト」です。ローカットのものもありまして、こちらは「ルードヴィッヒ」というモデルになります。
このキルティングがけっこう難しいんですよ。内側と外側の革の厚みを変えないと、表側に膨らみが出てきてくれずに、裏側に膨らみが出てしまう。おなじ柔らかさの革だと両方に膨らみが分散して、うまく出てくれない。なので、外側のほうに柔らかい革を使用しています。いま表側に出ているのは、本来は裏側に使う革なんです。
ホワイトフラッグスのモード
コンバースのオールスターで、ホワイトレザーのミドルカットが過去に販売されていたんですよ。僕はそれに、コンバースらしいストリートカジュアルではなく、モードを感じたんです。15足ほど履きつぶして、当時はそれ以外は履かなかったほど好きでした。
僕が作る“モードのスニーカー”の基本はそのモデルで作られて、「トロワゾ」のスニーカーで表現されたんです。いま、その想いはホワイトフラッグスのスニーカーに継承されています。白を中心としたモデルが多いのは、それが理由です。
基本はモードにあるというところは、絶対にブレさせたくない。次の春夏はストリートをテーマにやる予定なのですが、ホワイトフラッグスらしいモードを軸にしたストリートを提案します。「じゃあ、ストリート感をどうやって出そうか?」という話で盛り上がっていますよ。
小此木達也|OCONOGI Tatsuya
ツモリチサトを経てMIYAKE DESIGN STUDIOにてイッセイミヤケのデザイナーを勤める。2002年にフリーランスデザイナーとなり、2004秋冬より自身のブランド「TroisO(トロワゾ)」によるコレクションをスタート。2010年、デザイナーズフットウェアブランド「White Flags(ホワイトフラッグス)」を立ち上げる。
White Flags
http://wfn10.com/
GEM projector
Tel. 03-5459-4420