(前編)BE@RBRICKは究極のキャンバス。ミッキーマウス同様、時代を反映するアイコンです|MEDICOM TOY
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2019年10月1日

(前編)BE@RBRICKは究極のキャンバス。ミッキーマウス同様、時代を反映するアイコンです|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

DR. Romanelli デザイナー、ダレン・ロマネリが語るミッキーマウス90周年

Photographs by GETTY IMAGES FOR DISNEY|Text by SHINNO KunihikoEdit by KAWASE Takuro

ミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念したディズニーのアートエキシビジョン「Mickey: The True Original Exhibition」が、昨年11月から今年2月までニューヨークにて開催。会場内にはさまざまなアーティストが手がけた絵画や立体物、デビュー作「蒸気船ウィリー」の実物大レプリカなどミッキーマウスをテーマにした作品が多数展示され、アニバーサリーを盛り上げました。
同展のキュレーターを務めたのはナイキがリメイクの許可を与えた唯一のアーティストとしても有名なリメイクファッションブランド「ドクター・ロマネリ((DRx Romanelli)」のデザイナー、ダレン・ロマネリ(Darren Romanelli)。彼自身も長年活動を共にしてきたメディコム・トイとのコラボレーションにより、ビンテージの古着を使った3000%サイズの Mickey  BE@RBRICKを製作展示しました。今回はそのダレン・ロマネリにメールインタビューを敢行。ミッキーマウスへの思いやメディコム・トイの印象など、知られざる素顔に迫ります。

──まずはロマネリさんがミッキーマウス90周年エキシビションのキュレーターに選ばれた経緯について教えてください。
私は若い頃「STREETVIRUS」というエージェンシーを興し、数々のエキサイティングなプロジェクトにおいて約20年間ディズニーと関係を築いてきました。2003年には幸運にもミッキーマウスの生誕75周年記念のプロモーションに選んでいただいたことがあり、90周年を迎えた今回の展示会も私たちが適切なチームだと判断していただきました。今回のプロジェクトはミーティングを重ねるほど、私にとってもSTREETVIRUSにとっても刺激的なものになりました。
──キュレーターに選ばれて、どのような感想を持ちましたか?
私にとってミッキーマウスとのコラボは、ブランドコラボレーションの頂点です。そして、ミッキーマウスの長い歴史と向き合うことは大きな名誉です。「Mickey: The True Original Exhibition」への参加を通して、現代のストーリーテリングを担当するよう依頼されて光栄でした。このプロジェクトでは私の一番の強みである、さまざまなクリエイティブな役割をひとつの機会にまとめる能力を、初めて最大限に活かすことができました。そのため、このプロジェクトはいつまでも私にとって特別なものです。
──これまでミッキーマウスとの思い出で、個人的に印象に残っていることとは?
ほとんどのカリフォルニア人と同様、子どもの頃に家族と一緒にディズニーランドを訪れたことが最初の思い出です。ディズニーランドは私の家から1時間以内の場所にあり、そこで兄弟と一緒にミッキーとミニーを探したことを鮮明に覚えています。そのため、私の最初の作品のひとつがミッキーマウスのボンバージャケットだったのは極めて自然なことでした。
そのジャケットは自分のベッドシーツをリバーシブルに作り直したもので、パリのセレクトショップ、コレットのデビュー作となった思い入れのあるものです。当時コレットのクリエイティブ・ディレクターを務めていたサラのアイデアで、バンドエイドでラベルを手作りし、ジャケットの内側にポラロイド写真を置いたので、手にした人は私が手を加える前の作品を見ることができるようにディスプレイされました。だから、このミッキーボンバージャケットは、ドクター・ロマネリの歴史においても非常に重要な作品です。
──エキシビションのタイトルにも冠された「The True Original」には、どのような思いが込められていますか?
90年前、Walt Disneyという名の若いアーティストが、紙と鉛筆を使って全世界にインスピレーションを与えるネズミのイメージを作成しました。Disneyはアートが究極の世界言語であることを理解していました。私がキュレーションした展示会は、ミッキーマウスこそが世界的なアイコン、レガシーであり、セレブレーションでもあることを証明するものです。ミッキーは真のオリジナルであり、90年間に渡り全世界に強い信頼性と創造性をもたらす魔法の力を持っていました。

──ニューヨークの会場にはダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、ケニー・シャーフ(Kenny Scharf)、日本からは田名網敬一らの作品が展示されていました。エキシビション用に新作を依頼する際、どういう基準でアーティストに声をかけたのでしょう?
多様な背景を持つ23人の素晴らしいアーティストとコラボレーションしました。現代アートにおいてポップカルチャーのアイコンを再発明することに情熱を持ったアーティスト、そしてオリジナルのスタイルを構築して「TRUE ORIGINAL」として認められているアーティストをピックアップしました。
──展示作品の中にはロマネリさん自身が手がけたBE@RBRICKの姿もありました。全身にこれまで90年間のミッキーマウスの変遷がデザインされていましたが、この作品のテーマとBE@RBRICKを使った理由について教えてください。
約10年間メディコム・トイとご一緒していますが、その間も彼らはたくさんのミッキーマウスのBE@RBRICKを手掛けてきました。それらは私のオフィスの至る所にあり、毎日顔を合わせています。私はBE@RBRICKとビンテージファッションが好きなので、好きなもの同士を組み合わせるのは当然のことでした。今回展示した3000% Mickey BE@RBRICKは、ビンテージのミッキーマウスのTシャツとスウェットシャツ200枚から好きなものを選んで作りました。

──ミッキーマウスがポップカルチャーに与えた影響について、どのようにお考えですか?
ミッキーマウスは世界中で最も認識されているキャラクターのひとつです。恐らくNo. 1でしょう。どんなに再編集や再構築されても形や色味で認識できます。アイコンとしての影響はスピリチュアルであるとすら言えます。ミッキーを見れば幸福になり、楽観的なアメリカの文化を感じるでしょう。現代のライセンス事業およびハイブリッドなコラボレーションは、ミッキーマウスから始まったといっても過言ではありません。
──子どもたちに人気の高いミッキーマウスですが、アメリカでは大人たちはどういうイメージを持っているのか教えてください。
現在では、あらゆる年齢の大人がミッキーと個人的な関係を持っています。ミッキーは90年に渡って進化を続け、それぞれの時代のポップカルチャーのトレンドを反映するよう有機的に外観を変えてきました。各世代の歴史的なイベントには必ずミッキーがいました。描き方は変わりましたが、誰もが子どもの頃のミッキーのイメージを大切にしています。
                      
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