和気雅美│新連載・FloraLuxe主宰 和気雅美インタビュー
Design
2015年2月9日

和気雅美│新連載・FloraLuxe主宰 和気雅美インタビュー

ニューヨークでインスパイアされた花の魅力

FloraLuxe主宰 和気雅美 新連載インタビュー

某大手化粧品メーカー勤務の後、留学中のニューヨークで花に魅了され、パーソンズ・スクール修了後、フローラル・デザイナーへ転身したという和気雅美さん。
彼女が手がける“ニューヨークスタイル”のフラワーアレンジは、まさに大胆にして華麗。新連載第一回は、花への思いに迫る。

Text by OPENERSPhoto by Jamandfix


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自分の好みと感性にぴったりはまったニューヨークのフラワーアレンジ

――和気さんが花と出会ったきっかけは?

大学院へ通っているときに趣味としてはじめていました。フラワーアレンジメントには、かたちを決めるのに規則があって、そこに数学的な面白さを感じたんです。習いごとのひとつとして六本木の老舗のフラワーアレンジスクールに通っていました。

会場ではオリジナル限定Tシャツやアート作品を販売

――それから就職されて、仕事で出会ったクリエイターたちに刺激されて留学されたんですね

仕事でパリやニューヨークへ出張で行って、いろんなところで花と出会って、たとえばパリの街で見かける花はとても女性的できれいなんです。

ところがニューヨークで見ると花の表情が違って、あるレストランで見た八重桜の生け方には斬新で迫力があって、私の好みにぴったりでした。

その八重桜を見て、「ああ、ニューヨークらしい……」と無意識に感じたのがフラワーデザインにおける「ニューヨークスタイルとはなにか」を自分のなかで考えはじめたきっかけです。

日本的な桜という花が、いけかたや空間によってここまで変貌する、そのデザインの力に感動を受けました。ニューヨークのホテルなどで出会うアレンジも、花の種類や色合わせがモダンでスタイリッシュでとても気に入りました。それで、あらためてパーソンズ・スクールに入学しました。

――それでプロになろうと思ったのは?

会社を辞めてプロになろうと思ったのは、2000年でした。3年間日本にいて子育てをして、2005年にワシントンD.C.で「FLORALUXE」を設立しました。
ニューヨークまで教えにいったり、ワシントンで教室を立ち上げたり、コンテストに出したり、取材を受けたりして、日々忙しくしていました。

――ニューヨークスタイルのアレンジの特徴について教えてください

ニューヨークは世界のビジネスの中心地としてあらゆるスピードが速く、エネルギーが渦巻くポジティブな街です。新しもの好きで、移り気なニューヨーカーが好むスタイルはパリの花とはまた趣が異なり、インパクトの強い、モダンな色彩、デザインが特徴です。

キーワードはふたつ。
ひとつは、エッジが効いていて、リュクスなデザイン。
もうひとつは、斬新で大胆で、男性的な強さを感じさせる自己主張のあるデザイン。

これを素材のテクスチャー(質感)とカラー・ハーモニーのコンビネーションで表現します。

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花にはもっといい組み合わせや使い方があることを伝えたい

――いまの活動は?

いまは、ニューヨーク ハイ・スタイルのエッセンスとテクニックを教えるカリキュラム構成の「NY Flower School(ニューヨークフラワースクール)」を設立し、六本木ヒルズと南青山にて開校しています。
今後は、インテリアデザイナーとのコラボレーションで空間プロデュース全体を含めたウエディングとイベントプロデュースに重点をおいていくことを計画しています。
さらに新感覚のフィニッシングスクールの計画もあって、現代的でグローバルに活躍する新しい女性の生き方、ライフスタイルを提案していこうと思っています。

――和気さんが感じる“花の魅力”は?

花は、ひとにパワーを与えてくれます。私にとっては、癒しよりもパワーですね。
ですから、私がつくるものに前向きなパワーを感じていただいて、花を贈るひとにメッセージを託して届けていただきたいですね。

――和気さんは“ニューヨークスタイル”に惹かれたわけですが、日本人の花のつきあい方ってどう思われますか?

日本人には特有の“わびさび”の文化があり、生け花の影響もあるのでしょうが、花とのつきあい方はとても静かですね。野に咲く可憐な花が好きというDNAがあるのかもしれません。
デザインされた花のもつパワーには、自然を超えたものがあることをみなさんに伝えたいし、いまはインテリアも多種多様になってきていますから、“花が主役になるインテリア”を楽しんでいただけたら。

プリザーブドフラワーの魅力

――今回は、web shopping rumors(ルモアズ)で、プリザーブドフラワーを販売されます

プリザーブドフラワーは女性には認知されていますが、男性にもその魅力と手軽さを知っていただきたいですね。
プリザーブドフラワーは、美しいまま何年も咲きつづける完成されたもので、海外などでは生花の代わりに別荘などによく飾られます。

――配色が見事ですね

人工的だからこそ、色の組み合わせに個性がでます。
私はオブジェをつくるような感覚で、配色や素材にはとくに気を使います。
つくっていくときに“LUXE”という概念があって、たとえばベルベットのリボンにこだわってみたり、パールやクリスタルを配したり、スワロフスキーのビーズを使ったりして、計算し尽くされた美しさを追求しています。
生花代わりにはもちろん、忙しい方へのプレゼントとしても最適です。

――なるほど

女性に贈ると、ジュエリーをもらった感じで喜ばれると思います。

――さて、オウプナーズでの連載は、「男が学ぶフラワーアレンジ」です

男性にもっと花を身近に感じていただいて、自分にも、ステキなパートナーにも贈れて楽しめる花の魅力を伝えていければと思います。


           
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