Design
2015年3月13日
中原慎一郎のalso craft 10│ピエト・ストックマンの作品
also craft #10 「PIETER STOCKMANS」
その歪みからくる新しい印象──ピエト・ストックマン
PIETER STOCKMANS(ピエト・ストックマン)の作品は、その薄さから感じ取れる繊細な手触感と形へのこだわりからくる厳格さが共存した磁器である。
Text by NAKAHARA ShinichiroPhoto by Jamandfix
PIETER STOCKMANSの“青の釉薬”
日本においても、カップのエッジに釉薬をぐるっと装飾したいわゆる「皮くじら」と呼ばれる作品を見かけるが、このピエト・ストックマンの作品はそれが青い釉薬でほどこされている。
一見すごくミニマルにも見えてるのだけど、その歪みからくる印象(いくつか並べるとさらに)は、逆にデコラティブでもある。ぼくはデコラティブなもののなかに秘めるシンプルな良さを発見できるものにも興味をもっている。
彼の作品はまさにそれである。
そぎ落とされているがゆえに、そのルーツにさまざまな影響を想像させてくれる。
きっとそれはこの作品群を日常づかいのなかにいれてしまうその瞬間に、もっとも感じさせてくれるのだろうな。