#03 『Dog and Wolf』
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2015年3月12日

#03 『Dog and Wolf』

#03 Nieves(3)

レコードにレーベルのカラーがあるように、出版社が本を選ぶ基準になってもいい。

オルタナティブな視点で、
良質な本をリリースする出版社と本を紹介していく『UTRECHT』代表・江口宏志の“レーベルで選ぶブックガイド”。
今週はニューヨークの新世代フォトグラファー、ニック・ハイムをフィーチャー。
みずみずしい感性が、ファインダーの先に見据えるリアルとは?

#03 Nieves(3)

『Dog and Wolf』

Nick Haymes(Nieves) 3360円

普段のスケートボーダーたち

1968年イギリスに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動する、写真家ニック・ハイム初の作品集。
「犬とオオカミの間」という詩的なタイトルのとおり、いまどきのどうということもないスケートボーダーたちの、少年から青年になる彼ら独特な勢いと、精神的な未熟さや不安が、その32ページに収められている。
一見ラフに撮っているようで、注意深く見てみると、構図を含め高い完成度をもっていることがわかる。

tinyvices.comのティム・バーバーや、ピーター・サザーランドにも共通する、若者のそのままを撮ること。扇動的でもなくむやみにリリカルでもないこれらの作品は、そのまま彼と彼らの関係のようで居心地がいい。

普段のスケートボーダーたち

【Good Book Information】
『Dog and Wolf』 Nick Haymes(Nieves刊) 3360円

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