レンジローバーとレンジローバー スポーツがアップデート|Land Rover
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2015年2月2日

レンジローバーとレンジローバー スポーツがアップデート|Land Rover

Land Rover Range Rover|ランドローバー レンジローバー
Land Rover Range Rover Sport|ランドローバー レンジローバー スポーツ

レンジローバーとレンジローバー スポーツがアップデート

ジャガー・ランドローバーは、ランドローバーブランドの最上級SUV「レンジローバー」と、その弟分「レンジローバースポーツ」に改良をほどこした。最新モデルでは、オフロード性能の強化や燃費の向上がはかられている。

Text by OHTO Yasuhiro

悪路向けクルーズコントロール「ATPC」を初採用

英国のSUVブランドであるランドローバーは、フラッグシップSUVの「レンジローバー」と、よりスポーティなSUV「レンジローバー スポーツ」の2015年モデルを本国で発表した。改良のトピックは、高いオフロード走破能力をアシストする「オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)」の設定と、6気筒エンジンの性能向上と燃料効率の改善だ。

All Terrain Progress Control system (ATPC)|オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)

All Terrain Progress Control system (ATPC)|オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)

新システムであるATPCは、両モデルが備える高いオフロード走破性能を補完し、非日常的な状況での走行の際にドライバーの疲労を軽減するもの。停止状態、または走行時においてブレーキペダルから足を離しても、その後は一切ペダルの操作をおこなうことはなくドライバーが望む速度を維持する、一種の低速クルーズコントロールといえる。しかしながら、急坂や荒れ地などの路面を選ばず、走行中はシステムが車両の状態を継続的にモニタリングし、あらゆる状況下でトラクションを最適化してくれる。

これにより、ドライバーはステアリング操作などに集中することができる。ATPCが活躍するのは、急こう配の斜面や起伏のある地形、低グリップ路面などのオフロードに多い状況下となる。速度は1.8-30km/h(1mph~19mph)のあいだで、前進のみならず後退でも設定可能だ。

ATPCはオプションアイテムとなり、3リッターV6ターボディーゼルの「TDV6」、日本にも現行モデルが導入されている3リッターV6スーパーチャージドの「SC V6」と、一部のメカニズムを選択した場合にのみ「V8スーパーチャージド」で選択できるとのこと。

 

 

Land Rover Range Rover|ランドローバー レンジローバー
Land Rover Range Rover Sport|ランドローバー レンジローバー スポーツ

レンジローバーとレンジローバー スポーツがアップデート (2)

Land Rover Range Rover|ランドローバー レンジローバー
Land Rover Range Rover Sport|ランドローバー レンジローバー スポーツ

レンジローバーとレンジローバー スポーツがアップデート (2)

 

パワーと燃費を向上させたV6エンジン
機関面では、ガソリンとディーゼルいずれのV6ユニットにも改良がくわえられ、性能の向上と燃料効率の改善が図られた。ランドローバー製3.0リッターV6ターボディーゼルエンジン「TDV6」は、従来のツインターボ仕様からボールベアリング式シングルターボチャージャーに変更。ツーステージ式オイルポンプへの変更や燃焼噴射ノズルの再設計により、最高出力258ps、最大トルク600Nmを発生。同時に燃料効率も「レンジローバー TDV6」で8.5パーセント、「レンジローバー スポーツ TDV6」では5.7パーセントという大幅な改善を実現した。

レンジローバー スポーツにのみ設定される3.0リッターV6ターボディーゼルエンジン「SDV6」は、パラレルシーケンシャル ターボチャージャーを搭載するのは従来と同様だが、改良により、最高出力は14psアップの306ps、最大トルクも100Nmアップの700Nmまで性能を向上。さらにツーステージ式オイルポンプや改良された燃料噴射ノルズなどの搭載により、7パーセントもの燃費の改善を実現し、燃料効率は7ℓ/100㎞1(およそ14.3km/ℓ)と公表されている。

Land Rover Range Rover|ランドローバー レンジローバー

Land Rover Range Rover|ランドローバー レンジローバー

いっぽう、ガソリン仕様である3.0リッターV6スーパーチャージドエンジンは、新開発のサーモスタットにより理想的な稼働温度の環境を構築するタイミングを早めたほか、レーザー加工のインジェクターがより精密かつ最適な燃料噴射を実現。さらに改良型カムシャフトチェーンガイドやツーステージ式オイルポンプの採用、ピストンとガジオンピンに新コーティングを施すなど摩擦の低減と効率化を実施している。これにより最高出力は340ps、最大トルク450Nmを発揮しながらも、燃料効率は1.9パーセント改善されている。

このほか、新オプションとしてフロントガラスにさまざまな情報を投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)と固定式パノラマミックルーフが、「レンジローバー」と「レンジローバー スポーツ」に共に用意された。エクステリアカラーも新色が追加され、カスタマイズの幅がより広がった印象だ。今回の改良では、内外装やグレード構成についての変更などはおこなわれていない。

なお、現時点での改良モデルの日本導入タイミングは未定だ。

           
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