「パジェロ」ディーゼルは新長期規制に適合
三菱でもディーゼル復活、しかし…
「パジェロ」ディーゼルは新長期規制に適合
昨今の日本におけるディーゼル復活の流れが、また加速しそうだ。三菱自動車のオフローダー「パジェロ」に、ディーゼルモデルが4年ぶりに復活。10月1日に発売された。
国産メーカーの最新ディーゼル乗用車としては、9月に発売されたばかりの「日産エクストレイル」につづく2番めとなる「三菱パジェロ」だが、両車の立ち位置はやや異なる。
日産が、2009年から施行されるより厳しい「ポスト新長期規制」に真っ先に対応したのに対し、三菱は過去のディーゼル技術をブラッシュアップさせ、現行「新長期規制」をクリアしたのみにとどまっている。うがった見方をすれば、ブームに乗っかってディーゼルを復活させたともいえるが、クリーン化やCO2削減などは当然はかられている。
パジェロに搭載されるディーゼルユニットは、2004年までラインナップされていたものに最新技術を組み合わせることで、排出ガスの浄化や低騒音化などを実現させた、3.2リッター4気筒ターボ「Di-D」。騒音や排出ガスを抑える「コモンレール式燃料噴射システム」、窒素酸化物(NOx)を吸蔵して無害な窒素(N2)に還元する「NOxトラップ触媒」、粒子状物質(PM)を除去する「DPF」などが備わる。
最高出力170ps、最大トルク370Nm。燃費は、10・15モードでリッターあたり9.8kmと、3リッターガソリンモデルより15%優れている。CO2排出量は、ディーゼルが267g/kmに対しガソリンは273g/km。PM排出量の数値だけはポスト新長期をクリアしているという。
パジェロ・ディーゼルの価格は346万5000円から。日産エクストレイルは299万9850円のプライスタグをつける。もうひとつ両車の違いをあげるならば、日産が6段マニュアルのみの設定であるのにたいし、三菱が選んだのは5段オートマチックである。
三菱は、2008年度下期の6ヶ月でパジェロを2000台、うちディーゼルを700台売りたいとしている。