メルセデス・ベンツの新型Cクラス、日本初上陸|Mercedes-Benz
Mercedes-Benz C Class|メルセデス・ベンツ Cクラス
7年ぶりのフルモデルチェンジ
新型Cクラス(W205)、日本デビュー
メルセデス・ベンツ日本は、今年1月にデトロイトでワールドデビューを飾り、7年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型Cクラス(W205)を国内ではじめて披露。発売を開始した。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
量産車で世界初
「今年のメルセデスは本気です」。同社代表取締役兼CEOを務める上野金太郎氏による、このひとことからイベントは幕を開けた。新型Cクラスのコンセプトは、“アジリティ&インテリジェンス”。1982年に「190クラス」を発売を開始して以来、動力性能や快適性、安全性などあらゆる面において常にセグメントの指標とされてきた同社の看板モデルが、新世代に相応しい装備を満載し、本日ついに日本でのデビューを飾った。
さまざまな最新テクノロジーによって開発された新型Cクラスだが、注目すべきポイントは以下の3点だ。
・軽量高剛性アルミニウムハイブリッドボディの採用
・新型Sクラス譲りのインテリジェントドライブ
・さらに進化した部分自動運転
現行「Eクラス」および「Sクラス」と後輪駆動プラットフォームを共有する新型Cクラス(W205)。先代Cクラスでは、ボディシェルで使用するアルミニウムの比率が全体の僅か10パーセントだったが、新型では、同クラスの量産車としては類を見ない約50パーセントに。さらに高張力鋼板などを適材適所に組み合わせたことで革新的な軽量高剛性アルミニウムハイブリッドボディを生み出した。車両重量は先代比(ホワイトボディ)で、マイナス70kgにもなる。
この軽量高剛性ボディの採用により、重心高の低下によるスポーティかつ俊敏なハンドリング、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)特性の最適化にくわえ、動力性能をまったく犠牲にすることなく燃費を最大30パーセント以上向上したと、メルセデスは謳う。
このアルミニウムハイブリッドボディの製造を可能にしたのは、「ImpAcT(インパクト)(Impulse Accelerated Tacking)」と呼ばれる接合方式だ。これは、アルミニウムとスチールのコンポーネントを重ね合わせ、そこに高速でリベットを貫通させ接合するという技術。ドアやボンネット、ルーフなど外板パネルの大半にアルミを多用することで徹底した軽量化を可能とした。量産車としてはメルセデス・ベンツが今回、世界ではじめて採用した製造方法だ。
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Sクラス譲りのインテリジェントドライブ
昨年デビューした新型「Sクラス」に搭載され注目を浴びた、「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システム。この新型Cクラスにも同様に、最新技術の多くが搭載されている。
メルセデス・ベンツが「インテリジェントドライブ」と呼ぶ安全運転支援システムは、ドライバーの疲れを最小限に抑える快適性が安全なドライブに貢献するという思想に基づき、安全性と快適性を高次元で融合させたもの。
その土台を担うのが、クルマの周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステムだ。人間と同じように、「目」はカメラ、「耳」はレーダー、そして「脳」はカメラとレーダーから得られたデータを解析するコンピューター。先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを周囲の状況を検出し状況を判断しアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする。まさに「部分自動運転」がそれだ。
インテリジェントドライブに含まれる代表的な機能としては、先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する「ディストロニック・プラス」、クルマや歩行者などとの衝突の危険性を検知しその警告にドライバーが反応しない場合、最大のブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動する「PRE-SAFEブレーキ」、車線逸脱をステアリングを断続的に微振動させてドライバーに警告、または片輪に軽い補正ブレーキをかけることで車線内に戻す「アクティブレーンキーピングアシスト」などがある。
また他ブランドでも積極的な採用が進んでいる、ほかの車両にハイビームが当たらないよう自動的に照射範囲を制御しながら常に最大の視界を確保する「アダプティブハイビームアシスト・プラス」も用意される。
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Cクラス初のエアサスペンション
新型Cクラスのコンセプトのひとつ「アジリティ」は、先進のアルミニウムハイブリッドボディだけでなく、新開発の4リンク式フロントサスペンションによって、さらにもたらされる。
リンク機構とストラット式スプリングを独立させることで理想的なサスペンションの動きを実現した新型は、キャンバー角の自由なセッティングが可能となり、コーナリング時のグリップを大幅に向上。リアは、Cクラス伝統のマルチリンクサスペンションとなるが、進化した5リンクによる独立懸架式とし、直進安定性をより高めた。
サスペンションには、3タイプが用意され、「C 180」「C180 アバンギャルド」「C 200 アバンギャルド」には、走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させ、減衰力を調整するセレクティブダンピングシステムを採用する「アジリティ コントロール サスペンション」を搭載。
「C 180 アバンギャルド AMGライン」には、アジリティ コントロール サスペンションをベースに、スプリングとダンパーをハードなセッティングとし、よりダイナミックなドライビングを実現した「スポーツサスペンション」が奢られる。
そして注目は、Cクラス初のエアサスペンションの採用だ。「C 250 スポーツ」「C 200 アバンギャルド AMGライン」に装着される「エアマティックサスペンション」は、エアスプリングと連続可変ダンパーを電子制御することで、通常時から積載時まで変わることのない優れたロードノイズ特性、タイヤ振動特性を実現。これまでラグジュアリークラスでしか得られなかった快適な乗り心地を提供してくれる。
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進化したCOMANDシステム
インテリアに目を移せば、まさにスモールSクラスともいえる質感とデザインに出会える新型Cクラス。インフォテイメントシステムであるCOMANDシステムは、大幅に進化を遂げ、これまでのダイヤル式にくわえ、あらたにタッチパッドを装着した。最近のスマートフォンやタブレット同様に、マルチタッチのジェスチャーにも対応し、指でなぞって文字入力をおこなうことも可能だ。
また、センターコンソールやドア、足元を妖艶に照らし、オレンジ、ブルー、ホワイトの3色から選べるアンビエントライトも標準で用意され(C180を除く全モデル)たほか、あらたに設定された「エアバランスパッケージ」は、エアコンディショナーに、空気清浄機能と心地よい芳香を拡散するパフュームアトマイザー機能を装備する。香りは4種類から選択でき、ON/OFF切り替えや、香りの強さの調節が可能で、イオン放出によるウイルスなどの除去や、エアフィルター機能の強化がほどこされている。
新型Cクラスに用意されるパワーユニットは全部で3グレード。「C 180」に搭載される最高出力115kW(156hp)、最大トルク250Nmを発揮する1.6リッター直列4気筒ターボと、「C 200」の135kW(184hp)と300Nmを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボ。そして「C 250 スポーツ」に搭載される最高出力155kW(211hp)、最大トルク350Nmを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボ。すべてガソリンエンジンとなる。
だが、今後はディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドのモデルも順次国内へ導入予定であることを明らかにした。トランスミッションは全モデル7段オートマティックの「7G トロニック プラス」が組み合わされる。
価格は「C 180」が419万円、「C 180 アバンギャルド」が467万円、「C 200 アバンギャルド」が524万円、そして「C 250 スポーツ」が644万円。すべて8パーセントの税込価格となる。