ミニ謹製のピックアップトラック|MINI
CAR / NEWS
2015年1月5日

ミニ謹製のピックアップトラック|MINI

MINI Paceman Adventure|ミニ ペースマン アドベンチャー

ミニ謹製のピックアップトラック

ご存知のとおりMINIは、これまでコンベンショナルなハッチバックモデルのほかに、コンバーチブルやクーペ、ステーションワゴンやSUVなど、バリエーションを拡大し、MINIの世界観を徐々に広げてきた。今回発表されたモデルは、そんなMINIのさらなる可能性を探る新種である。

Text by SAKURAI Kenichi

タフなピックアップ4WDコンセプト

今回発表されたコンセプトモデル「ミニ ペースマン アドベンチャー」は、MINI初となるピックアップトラック仕様のモデルだ。「ミニ クーパー S ペースマン」の4WDバージョンである「ALL 4」をベースに、車高を上げて荷台を設置、ピックアップトラック仕様にカスタマイズした。クラシック ミニ時代に同様のピックアップモデルは存在したが、もちろん新世代のMINIでは初となるピックアップトラックである。

実用性、スタイリングともなかなか魅力的な、いかにも北米でウケそうなこのモデル、じつはBMWのファクトリーにいる若い実習生とその担当講師が研修の一環としてつくり上げたワンオフモデルである。残念ながら、市販の予定はない。

実習生たちがデザインしたピックアップスタイルの貨物エリアは、完全にフラットな床と固定式のアオリで構成されている。フラットな床面は、車高を上げ、リアタイヤのインナーフェンダーをアオリの中に上手く納めた設計によって確保されたもので、実用面への配慮も申しぶんないといえそうだ。

キャビンは2シーターとなり、荷物スペースや工具収納スペースをシートの後方に用意。また固定式のルーフラックには、補助灯を4基備え、同時にスペアタイヤを収容できるようになっている。こうした内外装にみられるワイルドな処理と4WDシステムは、いかにも「アドベンチャー」というネーミングにふさわしいものである。

MINI Paceman Adventure|ミニ ペースマン アドベンチャー

ミニ謹製のピックアップトラック (2)

外観だけでなく機能性も本格的

エンジンは135 kW(184ps)を発生させる1.6リッター直列4気筒ツインスクロールターボで、これはベースとなった「ミニ クーパー S ペースマン ALL4」と同一。サスペンションは強化されているというが、4WDシステムはそのまま流用している。

砂漠や砂利道などのトレイル走行に適しているのはもちろんのこと、短いオーバーハングや高められた最低地上高により、オフロード性能も向上。ルーフレベルに設置されたシュノーケル(空気取り入れ口)によって、渡河走行も可能になっている。

これまでもMINIは、「ミニ クラブバン」を改造した1人用の「ミニ クラブバン キャンパー」、2人が宿泊可能なコンパクトなトレーラーハウス「ミニ カウリー」、そして「ミニ カントリーマン」のルーフにテントを搭載する「ミニ カントリーマン オール4 キャンプ」などのユニークなスタディを制作してきた

今回登場した「ミニ ペースマン アドベンチャー」も、そうしたあらたなるMINIワールドを構築する、遊び心にあふれた魅力的な提案といえそうだ。しかしたんなる提案に収まらない、実用性とクオリティを確保しているところがMINIのMINIたるゆえん。こんなMINIのピックアップトラックバージョンがあったらたのしそう──とおもうのは、自分ひとりではないはずである。

           
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