CITROEN|シトロエン C4 Picasso|Grand C4 Picasso マイナーチェンジ
CITROEN|シトロエン C4 Picasso
グランド C4 ピカソ
デザイン、エンジンの変更でさらにハイクオリティなMPVへ
シトロエンは、「C4ピカソ」と「グランドC4ピカソ」のマイナーチェンジモデルを、30日から開幕されるパリモーターショーに出品することを発表した。
文=ジラフ
HDiエンジン搭載、e-HDiシステムの設定
これらのモデルは、いずれもデビューから約3年を経たC4をベースとしたMPVで、C4ピカソは2列シート、グランドC4ピカソが3列シートを採用されている(ちなみに日本では、グランドC4ピカソをC4ピカソの名前で販売)。
今回のエクステリアでの変更点は、フロントのフェイスリフト、LEDデイタイムランニングライトが組み込まれたバンパーの採用やシトロエンの新ロゴマーク、テールランプのデザイン変更などが挙げられる。
また欧州むけとなるが、エンジンは最新のターボディーゼル「HDi」を搭載。ほかにも、アイドリングストップやエネルギー回生システムを取り入れ、さらに環境性能を高めた「e-HDi」ユニットも設定されているという。
C4ピカソ、グランドC4ピカソの新モデルはパリモーターショーで発表されたあと、今年の終わりには欧州で販売が開始される予定だ。
BRAND HISTORY
シトロエンは1919年に設立されたフランスのメーカー。かつては独創的なメカニズムで知られ、スタイリングとともに、個性的な自動車づくりにかけては最右翼と呼べる存在だった。いまでも上級車種には、油圧でサスペンションの硬さ、車高、ブレーキ、パワーステアリングを調節するハイドロニューマチック・システムが採用されている。
創設者は自動車会社のエンジニアだったアンドレ シトロエン。いまもロゴにつかわれている三角形は、このころアンドレ シトロエンが考案した「ドゥブルシェブロン」と呼ばれるギアからきたものだ。戦前は比較的大衆車から高級車までを手がけ、低い車高とスムーズなラインをもつボディとともに、ハンドリングにすぐれるスポーティ性で評価された。フィルムノワールと呼ばれるフランスのギャング映画でも多く登場したのは、走りがよいのがギャングの逃走用としてつかうのに説得力があったから、とか。戦後は1950年代にハイドロニューマチックを採用するなど、個性的なエンジニアリングを売り物にした。
1955年に発表されたDSシリーズは、ハイドロニューマチックサスペンションとともに、独自の車体構造、ほかに類のないスタイリングゆえ、永遠のアイコンとされる。いまもコマーシャルなどに使われるとともに、シトロエン自身もヘリティッジとして大切にしている。この系譜は、1970年代のCX、90年代のC5、そして2000年代のC6に受け継がれている。
いっぽう、大衆車の分野でもたいへん個性的なクルマを手がけてきた。代表格は1949年発表の2CV。コンパクトな車体にちいさな空冷エンジンを搭載。しかし高いルーフに真っ平らなフロアと居住性は最大限確保されていた。農業国フランスで多くのひとにつかわれるようにと、ジャガイモを積んでもちゃんと走るかとか、タマゴが割れない乗り心地かとか、実用性を主体に開発されたともいわれる。90年代初頭まで生産され、いまも多くが世界の路上を走っている。
1970年代からプジョーグループに属し、プラットフォームを共用しながら、それでも個性的なクルマづくりをつづけるのがシトロエンの立ち位置。現在の日本におけるラインナップは、BMW3シリーズクラスのC5(セダンとワゴン)、ゴルフクラスのC4、およびマルチパーパスワゴンであるC4ピカソ、ポロクラスのC3、そして個性的な2ドアクーペのDS3となる。ハイドロニューマチックが進化して電子制御と組みあわされた最新のハイドラクティブIIIサスペンションはC5に採用されている。
現在のラインナップは「C」を車名にもつ。いっぽうDS3のように、今後、ニッチ(すきま)マーケットを狙ったラインナップが拡充されていく予定で、それらには「DS」が冠されるという。
(2010年8月更新)