Eクラスに天然ガス車が登場|Mercedes-Benz
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2014年12月25日

Eクラスに天然ガス車が登場|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|
メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラル ガス ドライブ
Mercedes-Benz E 220 BlueTEC BlueEFFICIENCY Edition|
メルセデス・ベンツ E 220 ブルーテック ブルーエフィシエンシー エディション

Eクラスに天然ガス車が登場

環境性能を上げる方策において、メルセデスは、やはり一日の長がある。既存の技術やインフラを使用しながら、エネルギーダイバシティに対応する「Eクラス」のバイフューエルモデルを欧州で発表した。

Text by SAKURAI Kenichi

天然ガスとガソリンを使い分ける環境対応モデル

メルセデス・ベンツでは、環境性能の向上を目指し開発したガソリンにくわえ、天然ガスを燃料とするNGL(天然ガス)対応エンジンを搭載した「E200 NGD(ナチュラル ガス ドライブ)」と、「E220 ブルーテック ブルーエフィシェンシー エディション」を発表した。

E200 NGDの価格は、47,808.25ユーロの設定で2013年12月から、E220 ブルーテック ブルーエフィシェンシーは価格が47,272.75ユーロで 2013年9月から、それぞれ欧州マーケットでの販売を開始する。

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラルガスドライブ

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラルガスドライブ

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive

E200 NGDは、115kw(156ps)の最高出力と270Nm(27.5kgm)の最大トルクを発生する直列4気筒の直噴エンジンをベースに、従来どおりガソリンと、環境に優しい天然ガスの両方を燃料として使用できるのが特徴だ。

このエンジンは、EU6の排ガス基準を満たし、最高速度220km/h、0-100km/h加速10.4秒というパフォーマンスをもちながら、燃料に天然ガスを使用することにより、ガソリン車にくらべ約20パーセントものCO2排出量削減を実現。同時に欧州市場を例にすると、燃料コストを約半分におさえるというメリットをあわせもっている。

天然ガスモードによるドライブの場合、E200 NGDでは、100kmあたり4.3kgの天然ガスを使用する。

これは、例えばドイツ国内で年間2万kmを走行すると仮定したばあい、ガソリン車にくらべ、約1,000ユーロ(約12万7,000円)の燃料費削減をおこなえる計算になる。

ECOスタート/ストップ機能も標準装備されるE200 NGDのCO2排出量は、わずか116g/kmにとどまり、燃費やCO2排出量といった環境性能の高さは、市販車トップレベルといえるものだ。また、排気ガスそのもののクリーン化も果たし、ガソリンやディーゼルエンジンにくらべ有害物質の排出がいっそう抑えられているのも特筆すべきポイントである。

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラルガスドライブ

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|
メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラル ガス ドライブ
Mercedes-Benz E 220 BlueTEC BlueEFFICIENCY Edition|
メルセデス・ベンツ E 220 ブルーテック ブルーエフィシエンシー エディション

Eクラスに天然ガス車が登場 (2)

卓越した航続距離

ナチュラルガスを使用した標準的なE200 NGDのタンク容量での航続距離は約400kmだが、ナチュラルガスが空になった時点で、シームレスに燃料がガソリンに切りかわるため、燃料の選択や操作における心配は無用。ナチュラルガスとガソリンを併用した場合の航続距離は、実に1,300kmにも達し、給油回数の削減にも寄与する。

もちろん、燃料タンクはそれぞれ別々に用意されているので、各々に燃料を補給する必要はある。

しかし万一、最寄りのガスステーションでナチュラルガスの取扱いがなかったという場合でも、ガソリンだけで走れるので、日常の使用上まったく問題はない。

電池の残量を気にして走る必要があるEVなどとは、精神的な安心感が圧倒的にことなる。

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラル ガス ドライブ

Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive

もしも、すべての燃料をナチュラルガスでまかないたいという場合には、400リットルの荷室容量を確保したままで、ナチュラルガスの燃料タンク容量をオプションで合計121.5リットルにまで拡大可能だ。その場合の航続距離は、なんと1,600kmにまでのびる計算になる。

2.2リッター ディーゼルエンジン搭載車もスタンバイ

ちなみに、E220 ブルーテック ブルーエフィシェンシーは、15mmローダウンしたシャシーと17インチホイールを標準装備し、直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載。最高出力125kw(170ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発生し、7Gトロニックプラスのトランスミッションを組みあわせる。このエンジンは、100km走行で4.4リッターの燃料消費と114g/kmのCO2排出量という高い環境性能を持ちあわせている。

Mercedes-Benz E 220 Blue TEC BlueEFFICIENCY Edition|メルセデス・ベンツ E 220 ブルーテック ブルー エフィシエンシー エディション

Mercedes-Benz E 220 BlueTEC BlueEFFICIENCY Edition

Mercedes-Benz E 220 Blue TEC BlueEFFICIENCY Edition|メルセデス・ベンツ E 220 ブルーテック ブルー エフィシエンシー エディション

Mercedes-Benz E 220 BlueTEC BlueEFFICIENCY Edition

いずれも、現状ある技術をブラッシュアップし、組みあわせて搭載したものだが、純EVのような電池切れの心配もなく、ハイブリッドカーのように複雑な制御や電池による重量増も必要とせずにすむこのアイデアは、次世代ヴィークルとして目される、水素を使用する燃料電池車の普及に時間がかかっている今、実用的なソリューションとして大いに注目したい。

既存の技術やインフラを使用しながら、環境性能を上げる方策において、メルセデスはやはり一日の長があるということである。

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Mercedes-Benz E 200 Natural Gas Drive|
メルセデス・ベンツ E 200 ナチュラル ガス ドライブ

ボディサイズ|全長 4,879 × 全幅 1,854 × 全高 1,474 mm
ホイールベース|2,874 mm
トレッド 前/後|1,598 / 1,614 mm
エンジン|バイフューエル対応 直列4気筒 エンジン
最高出力| 115kW(156ps)
最大トルク|270Nm(27.5kgm)
トランスミッション|7段オートマチック(7G-TRONIC PLUS)
駆動方式|FR
最高速度|220 km/h
0-100km/h加速|10.4 秒
燃費(NEDC値)|4.3kg/100km (天然ガス使用時)
CO2排出量|116 g/km (天然ガス使用時)
燃費(NEDC値)|6.3kg/100km (ガソリン使用時)
CO2排出量|147 g/km (ガソリン使用時)
価格|47,272.75ユーロ

Mercedes-Benz E 220 BlueTEC BlueEFFICIENCY Edition|
メルセデス・ベンツ E 220 ブルーテック ブルーエフィシエンシー エディション

ボディサイズ|全長 4,879 × 全幅 1,854 × 全高 1,474 mm
ホイールベース|2,874 mm
トレッド 前/後|1,598 / 1,614 mm
最小回転半径|5.6 メートル
トランク容量(VDA値)|540 リットル
重量|1,795 kg
エンジン| 2,143cc 直列4気筒 ターボ ディーゼル
最高出力| 125kW(170ps)/ 3,000-4,200 rpm
最大トルク|400 Nm(40.8kgm)/ 1,400-2,800 rpm
トランスミッション|7段オートマチック(7G-TRONIC PLUS)
駆動方式|FR
最高速度|227 km/h
0-100km/h加速|8.4 秒
燃費(NEDC値)|4.4ℓ/100km
CO2排出量|114 g/km
(スペックは欧州参考値)

           
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