マツダ新フラッグシップSUV「CX-8」予約開始|MAZDA
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マツダ新フラッグシップSUV「CX-8」予約開始
マツダは3列シートクロスオーバーSUV「CX-8」の国内予約受注を開始した。12月14日より販売が開始される予定で、価格は319万6,800円から。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
さらに進化した2.2リッターディーゼルエンジンを搭載
マツダの国内モデルでは最上位SUVに位置する「CX-8」。搭載されるエンジンはクリーン ディーゼルエンジンのSKYACTIV-D 2.2をさらに進化させたものだ。少量の燃料を多段かつ高圧で微細噴霧化して噴射することで優れた静粛性と燃焼効率、高い環境性能をすべてかなえる急速多段燃焼を採用。段付きエッグシェイプピストンや、超高応答マルチホールピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボチャージャーなどの新技術により、最高出力を従来の175psから190psに、最大トルクを420Nmから450Nmに向上させた。これにより「CX-5」よりも定員、重量増にも関わらず、十分な走行性能とマツダらしい運転する喜びが確保されているという。
また、CX-8の燃料タンク容量は72リッター(4WDは74リッター)確保されるため、JC08モードより現実に近いとされるWLTCモード燃費が15.8km/ℓであることを踏まえると、1回の満タンで1,137kmもの距離を走ることが可能である。
高い静粛性を実現
CX-8のボディサイズは全長4,900×全幅1,840×全高1,730mmだ。これは日本の道路環境や駐車事情を意識した結果のスペックで、ここから人間工学にもとづき、理想的な運転姿勢を取れる1列目、大柄な乗員でもくつろげる2列目、身長170cmでも無理なく快適に過ごせる3列目の空間が追及された。
2列目シートには、機種により左右分割のキャプテンシート(2種類/6人乗り)とベンチシート(7人乗り)を設定。
荷室容量は、3列目までの定員乗車時にはA型ベビーカー1台やゴルフバッグ2個を積載できる239リッター、3列目シートを倒すと572リッターの空間が生まれる。
静粛性(NVH性能)では、室内天井部やDピラー付近へ吸音材を配置し、すべての乗員が普段の声量で快適に会話が楽しめる静粛性を実現。マツダ商品本部主査の松岡英樹氏は、「CX-8はどこまでも走りたくなる、意のままの走りとともに、上質な乗り心地と静粛性ですべての乗員に快適な移動を提供します。その静粛性は1列目から3列目まで全ての乗員が普段通りの声量でコミュニケーションできる圧倒的な静粛性を実現しました。家族や仲間と過ごす大切な時間。好きな音楽を楽しむ素敵な空間を提供しています」と静粛性の高さを強調した。
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安全装備充実で疲れた体がむしろ元気に
安全性に関しては、先進安全技術のi-ACTIVSENSEを標準装備。アクティブセーフティ領域では最新の360度ビューモニターを設定。車両の前後左右にある4つのカメラ映像をさまざまな走行状況に応じて切り替えてセンターディスプレイに表示することで、死角や障害物との距離を目視で確認できるようになり、危機回避操作をサポートする。
パッシブセーフティ領域では、軽量・高剛性ボディSKYACTIV-BODYに、マツダ初の二又構造をCピラー下に採用し、後面衝突時に3列目乗員を保護する剛性を確保している。また、アクティブボンネットを標準装備。歩行者との衝突を検知した瞬間にボンネット後端を約100mm持ち上げてエンジンとのあいだに空間を作り、歩行者への衝撃を緩和する。
松岡氏は、これら安全装備に関し、「たくさん遊んで疲れた時、夜中まで働いた帰り道、ドライバーの認知判断が低下することもあるでしょう。そんなドライバーをサポートし、ストレスなく運転を楽しんでもらうことで、家に着く頃にはむしろ元気になっているようなイメージで充実させました」とコメントした。
デザインコンセプトはタイムレス・エッジ―
CX-8のデザインコンセプトはTIMELESS EDGY(タイムレス・エッジ―)。「普遍的な美しさと、上質なデザインを通じてお客様の日々の暮らしの中に豊かさや心地よい刺激を感じつづけてもらいたいと思い設定しました」とは、マツダデザイン本部チーフデザイナーの諌山慎一氏の弁。
エクステリアデザインは、伸びやかさや水平基調を軸に、力強い剛性感あふれる造形の中に、大人の落ち着き、そして上品で凛としたたたずまいを感じさせる、新しいSUVスタイルを実現。
また、コンパクトなキャビンとそれを支えるボディとの対比により多人数車=箱型のイメージとは一線を画す、走りの良さを感じさせるプロポーションを創出。さらに、ボディ表面の構成や、ショルダー部などの張り出しによってSUVらしい力強さも同時に表現している。
そして一番のポイントは、「3列目に大人がきちんと座ってもらえるパッケージを持たせながら、伸びやかで美しいプロポーションを両立させたことです」と諌山氏はいう。
インテリアは、「ただ広いとか大きい、ゴージャスといった既存の価値観とは一線を画す、マツダらしい適度なタイト感の中にすべての乗員に走る喜びや所有する喜びを感じてもらえる空間作りを行いました。ハイグレードには2列目のセンターコンソールが設置され、今までの通常のSUVとは違った、上質な空間を感じてもらえるように作り込んでいます」とコメント。
さらにCX-8は、「特に本物の素材使いという点にこだわりを持ってデザインしました」という。「使い込むほどに味わいを感じてもらえる本物の素材。柔らかな手触りのナッパレザーのシートや、リアルなウッドを使った本木の加飾などによって、温かみや手仕事による風合いというものを感じてもらえるインテリアになっています」とした。
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新たな市場を喚起するCX-8
CX-8の発表会においてマツダ代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏は、3列シートを備えたクロスオーバーSUVの投入理由について、「国内市場ではそれほど大きい市場ではなく、海外メーカー含めて月間約3,000台程度のボリュームです。しかし、ミニバン市場は徐々にSUVに移りつつあります。そういったお客様のニーズの多様化に備えて、我々はあえてSUV3列でこの需要を喚起していきたいのです」と意気込みを語る。
また、マツダは日本にミニバン市場がなかった1990年当時、「MPV」を他社に先駆けて国内市場に投入したことを踏まえ、「MPVがきっかけにミニバンという市場が日本で育ちました。従って今回、SUV における3列シート車でこの需要を喚起できればと思いチャレンジします」という。
松岡氏も、「日本のライフスタイルに対する価値観は大きく変化しており、家族と過ごす時間とともに、自分自身の時間も大切にしたいという人も増えてきています。また、気の合う友達などと仕事や趣味を楽しむ、自分らしいライフスタイルを追求する方も数多くいます。こうした新しい価値観を持っているお客様が、さらに自分らしく、さらに彩り豊かな人生を送ってもらえるよう、お客様に寄り添い、支えてくれる新しいクルマがこのCX-8なのです」と述べる。
近年マツダは、ターゲットカスタマーの年代や性別、家族構成などといったデモグラフィックを想定しておらず、お客様の価値観にポイントを置いている。松岡氏は、「他人に流されず、自分の世界を持っている。自分の進む道は自分で決めたいと思っている。そういった方が我々の考えるターゲットカスタマーです。その中で、多人数乗用や3列シートの人数があるお客様に対して提案するのがこのCX-8なのです」と話す。
また、「既存の多人数乗用車や3列シートといった枠にとらわれず、特に日本のお客様を中心に考えながら開発をしました」とコメント。
そして、国内では第8弾の新世代商品となるCX-8は、「多人数乗車と、デザインや走りを最上位SUVに相応しいレベルで両立させました。このマツダらしい3列シート車は、マツダ車のラインナップを充実させ、ずっとマツダ車に乗りつづけたいといってもらえるお客様の選択肢を広げる新たな1台になるでしょう」と語った。