EVのSUVコンセプト「I.D.クロス II」をフランクフルトでワールドプレミア|Volkswagen
Volkswagen I.D.CROZZ II|フォルクスワーゲン I.Dクロス II
EVのSUVコンセプト「I.D.クロス II」をワールドプレミア
フォルクスワーゲンは、現地時間の9月12日(火)に開幕するフランクフルトモーターショーを前に電気自動車(EV)のSUVコンセプト「I.D.クロスII」を世界初披露した。
Text by YANAKA Tomomi
2020年の市販化を見据え、量産化を意識した改良を実施
今回発表された「I.D.クロス II」は、今年6月に上海モーターショーで発表された「I.D.クロス」の進化版。ボディはSUVと4ドアクーペを融合したクロスオーバーモデルとなっており、ヘッドライトやフロント、リアなどで量産を意識した改良が施されている。
インテリアも見直され、“オープンスペース”と呼ばれる室内は多様なシートアレンジコンセプトを採用。Bピラーが存在しないため、大型のスライドドアを開くと大きな開口部が生まれ、クロスバイクなども積むことが可能となるという。
また新たに開発された「クリーンエア」システムにより、周囲の環境にも関わらず、室内はクリーンな空気を常に供給。メニュー画面には車内の空気の状態やシステムの作動状況などの情報が表示されるほか、ボイスコマンドによってドアの開閉なども指示できるそう。
パワートレインは、フロントアクスルとリアアクスルにそれぞれ電気モーターが搭載され、システム全体で出力は225kWを発生。最高速度は180km/hに達し新欧州ドライビングサイクル(NEDC)に準じた計測では1回の充電で最大500kmの走行が可能。車両の中央部に搭載されたバッテリーは、急速充電システムを使用すると、30分で80パーセントまで充電できるという。
駆動は電動式の四輪駆動システムを使用し、「エレクトリックプロペラシャフト」でトルクを配分。電子制御ダンパーや新開発のマルチリンクリヤサスペンション、マクファーソンストラットから構成されるサスペンションシステムにより未舗装や悪天候でも高い走行性能を発揮するとフォルクスワーゲンでは謳う。
フォルクスワーゲンでは、すでに2020年に4ドアのコンパクト「I.D.」とSUVの「I.D.クロス」シリーズ、さらに2022年には“ワーゲンバス”の愛称で知られる「ブリー」を現代的に解釈した「I.D.バス」と3種類のEVを発売することをアナウンスしており、今回発表された「I.D.クロス II」もその一角をなすモデルとなる。