アストン「ヴァルカン」のアップグレードキット「AMR Pro」を発表|Aston Matin
Aston Martin Vulcan AMR Pro|アストンマーティン ヴァルカン AMR Pro
ヴァルカンのアップグレードキット「AMR Pro」を発表
アストンマーティンは英国時間の6月30日(金)、サーキット専用モデル「ヴァルカン」のアップグレードキット「ヴァルカン AMR Pro」を発表。同日、英国で開幕した「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で初披露した。
Text by YANAKA Tomomi
ダウンフォースの最大化を図るとともに、刺激的なスタイリングを創出
昨年、最高出力820psのハイパワーエンジンを搭載し、わずか24台のみが製作されたアストンマーティン「ヴァルカン」。ル・マンで優勝したレースカーの興奮を伝えるとともに、パフォーマンスはそれを上まわるモデルとして設計された。
ヴァルカンのオーナーは販売されてから2年のあいだ、ル・マンでこれまで3回の勝利を挙げてきたダーレン・ターナー選手をはじめとするアストンマーティンのプロのインストラクターから世界有数のサーキットで特別なドライビングレッスンを受けてきたという。
いっぽう、「アストンマーティン レーシング」の頭文字からなる「AMR」は、今年発表されたばかりの新ブランド。なかでもAMR Proモデルの開発は、パーソナライゼーション部門「Q byアストンマーティン」のアドバンスド オペレーション部門が手掛けるという特別な存在だ。
そして、新たに発表された「ヴァルカンAMR Pro」は、ヴァルカンの性能を高めるパフォーマンスパッケージとなる。特に力を入れているのが空力対策。フロント ホイールアーチの上にルーバー付きパネルを追加し、そこから生まれる高い風圧でリフトを削減。ノーズの両側には大きめのダイブプレーンを設置し、フロントの接地性が高められた。
また車体のリヤ部分でも新形状のリヤウイングを採用するなど、大胆な改変が施され、刺激的なスタイリングを生み出すとともにダウンフォースの最大化が図られている。
こうした空力対策の効果により、ダウンフォースは標準仕様のヴァルカンでは3,150Nmだったのに対し、ヴァルカンAMR Proでは4,000Nmへと向上。この数字は、今年のル・マンでクラス優勝した「ヴァンテージGTE」のダウンフォース3,104Nmよりも大幅に大きいものとなる。
この空力対策に伴い、車両のバランスが変化したためトラクションやステアリングレスポンス、フロントグリップなども改善されているという。
ヴァルカンを試作段階からテストドライブしてきたというワークスドライバー、ダーレン・ターナー選手は「一度高速コーナーを攻めれば、空力対策の素晴らしい効果を実感してもらえるはず」とコメント。
「ヴァルカンAMR Pro」を装着するアップグレードの作業はすでに開始されており、秋には最初のクルマが完成される予定という。