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2016年8月22日
アウディ、革新的なサスペンション「eROT」を公開|Audi
AUDI|アウディ
アウディ、革新的なサスペンション「eROT」を公開
アウディは、近い将来の新型車に搭載されるであろう、全く新しいサスペンションシステム「eROT」のプロトタイプを作成していることを明らかにした。今までの油圧ダンパーを置き換え、EV時代に最適なサスペンションだという。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
サスペンション特性の変更も自由自在
今回公表された「eROT」は、従来の油圧式ダンパーに変わって、エレクトロメカニカル ローターリーダンパーを採用する、一種のアクティブサスペンションシステム。路面の凹凸で上下動するタイヤの動きは、ホイールキャリアに繋がったレバーアームを通じて、eROT内部のギアに伝えられる。このちからはジェネレーターを動かし電気を発生し、その抵抗がクッションとして作動するというもの。
実際にドイツで行われた公道でのテストでは、高速道路など滑らかな路面で3ワット、荒れた路面で613ワット、平均では100-150ワットを回生できたという。
サスペンションとしての動作特性はソフトウェアで変更が可能。この際に、油圧ダンパーでは難しかった入力と出力の特性を個別に設定できるので、たとえば伸び側は硬めにしながら縮み側を柔らかくすることでスポーティでありながら乗り心地の良い走りを容易に実現可能だという。
また、パーツが小さい上、水平方向に設置されるため、ラゲッジを侵食することがなくスペースを最大限に生かすこともできる。
eROTは、将来を見据えた技術のため、電動モデルの高性能化にあたり必要となる48ボルト電源システムに最適化されている。アウディでは、2017年にはこの48ボルトシステムをもった次世代モデルの導入が予定されているといい、高性能なマイルドハイブリッドを搭載して最大100kmあたり0.7リッターの燃費向上が期待されるという。