2012年版 間違いだらけのクルマ選び|BOOK
CAR / NEWS
2014年12月15日

2012年版 間違いだらけのクルマ選び|BOOK

Books

2012年版 間違いだらけのクルマ選び

言わずと知れた徳大寺有恒氏の大ベストセラー『間違いだらけのクルマ選び』。島下泰久氏をくわえ、共著としての復活後、第2弾となる2012年度版も大好評だとか。その制作背景を、島下氏に語ってもらった。

Text by SHIMASHITA Yasuhisa
Photographs by JAMANDFIX

クルマが面白くなってきた

昨年12月に2012年版『間違いだらけのクルマ選び』を上梓しました。『間違いだらけ~』と言えば、徳大寺有恒さんの説明不要の大ベストセラー。2006年刊行の最終版をもって一旦終刊となっていたのですが、昨年6月に刊行した「2011年版」にて、私と徳大寺さんの共著として復活を果たしました。今回の2012年版は、その第2弾ということになります。

内容は、時事問題などを採り上げた約20本のエッセイをふたりで書き分けるいっぽう、車種評価については、すべて執筆は私が担当しています。評価について、あるいは文章について、相談や確認などはしていません。それが必要だったら、そもそも私じゃなくていいわけですからね。

ただ、定期的な打ち合わせの際には意見を交換しています。すると、あらたなモノの見方に気付いたり、発見があったりということはしょっちゅうです。何気ない一言に物凄い蘊蓄がふくまれている。そのあたり、やはりさすがだなと思ってしまいます。

2012年版でメインテーマとして据えたのは「クルマが面白くなってきた」ということです。実は前回の2011年版では「クルマの未来が心配だ」と、特に日本車がガラパゴスと言われる状況になって、ヨーロッパ勢に引き離され、韓国や中国などの新興国勢に突き上げられつつある現状を憂いたのですが、それからわずか半年のあいだに、明るい未来を予感させるクルマや技術がたくさん発表されてきて、「日本車、まだまだ捨てたもんじゃないぞ」という気持ちを込めています。

その象徴となった東京モーターショーも、興奮や熱気をできる限り伝えたくて、実は今回、異例なほど入稿を遅らせてもらい最新の情報を掲載しました。書いていても不安でしたが、編集の方や草思社の皆さんは、もっと気が気でなかったでしょう。

クルマに興味のある、すべてのひとに読んでもらいたい

掲載車種はほとんどが日本車で、輸入車は10台前後。その年に出た注目モデルが中心となります。2012年の輸入車を語る上では外せないということで、フォルクスワーゲン ビートルレンジローバー イヴォークといった最新モデルも入れました。

「間違いだらけのクルマ選び」の良いところは、時の新型車ばかりが中心にはならず、ライバル車同士の実力比較を、横並びで確認できることです。今回は、そんな特質をさらに引き伸ばすために、全車点数評価をおこなう採点表を復活させました。

基本的なスタンスは、あくまでバイヤーズガイドであるということ。ですから、もちろんクルマの購入を検討している人に役立つ本になっていると思いますが、同時にこの本は、年に1回、自動車を取り巻く状況を俯瞰で眺めるために読んでいる方も、すごく多いんです。実際のところ、書いていて自分自身もそうできているぐらいですから、新車購入予定がなかったとしても、面白く読んでいただけるんじゃないかと思います。

昔読んでいたという方には新鮮だと思いますし、あたらしいファンの方にも楽しんでいただけるはずだというのは自負するところです。クルマに興味のある、すべての方に読んでいただけたら嬉しいです。

2012年版 間違いだらけのクルマ選び|BOOK 02

島下泰久|SHIMASHITA Yasuhisa
モータージャーナリスト。'11-'12日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)理事
1972年神奈川県生まれ。走行性能だけでなく先進環境・安全技術、ブランド論、運転などクルマを取り巻くあらゆる事象を守備範囲とした執筆活動のほか、エコ&セーフティドライブなどをテーマにした講演も行なう。著書に『2011年版 間違いだらけのクルマ選び』(草思社刊)、『極楽ガソリンダイエット』(二玄社刊)などがある。

ブログ
http://minkara.carview.co.jp/userid/362328/blog/
島下泰久 x 塩見 智 自動車メールマガジン
http://ssmm.jp

           
Photo Gallery