日産、新世代車両設計技術を発表|Nissan
Nissan CMF|日産コモン・モジュール・ファミリー
新世代車両設計技術「日産CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」を発表
日産は、モジュール化されたあたらしい車両設計技術を発表した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
車両開発の期間短縮、低コスト化を実現
「日産CMF」(4+1 Big module concept)は、従来の「プラットフォームを共有化して複数の車種を開発する」という発想をさらにすすめ、プラットフォーム自体を分割し、開発したい車種ごとにふさわしいパーツ(モジュール)を組合せる技術である。日産CMFでは、4+1という添え書きのとおり、大まかに全体を「エンジンコンパートメント」「フロントアンダーボディ」「コックピット」「リアアンダーボディ」の4つと「電子系」1つにわけ、合計5つのパーツにより構成される。
この技術により、開発期間の短縮や部品共有化促進によるコストダウンを実現するとともに車両の個性化をはかるという、従来であれば相反する要素を同時に満たすことができる。そのほかにも、モジュール化された電子系や安全装置など最先端の電子デバイスを迅速に組み込むことができるなど、メリットは大きいという。
理論的にはEVをふくめ、FF、FR、4WD問わず全車種にこのモジュール化を適用することができるが、量産効果がでないとメリットを活かすことができないため、実際には導入当初の2013年に12%程度、2016年には60%程度の車種への適用を予定しているという。
日産は、2011年から2016年の6ヵ年中期計画「パワー88」において51車種にものぼる新型車投入を宣言しており、今回の技術もそれを実現するための重要なファクターと位置づけている。
このCMFによるモジュール化に似たものとして、先日フォルクスワーゲンもMQBという技術を発表している。従来より自動車メーカーはひとつの車種を全世界へ提供する最大公約数的な考え方から、プラットフォームを共有しつつニーズに合わせて複数の車種を生産する方法に転換しているが、プラットフォームのモジュール化という方策はそれをさらに推し進めた技術ともみてとれる。