あたらしいプリウス「プリウス PHV」は、脅威の61.0km/ℓを記録!|TOYOTA
TOYOTA PRIUS PHV|トヨタ プリウスPHV
あたらしいプリウスは、脅威の61.0km/ℓを記録!
トヨタは、家庭用電源などから充電できるプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の受注を開始、2012年1月30日から発売する。
文=松尾 大写真=小河原 認
343万台を売り上げたハイブリッド車の進化
現在日本国内で販売される新車のなかでつねにトップを独走しているのがプリウスだ。ハイブリッド車の日本国内での累計販売台数は、初代プリウスが1997年にデビューし、100万台に達するまで113ヵ月と、約10年近くを要したのにたいし、そこから200万台までは27ヵ月、300万台までは18ヵ月と驚異的なスピードで普及してきていることがわかる。
それはとりもなおさず、環境性能の高さにあるわけだが、トヨタにおけるハイブリッド車の象徴的な一台であるプリウスは、すでにつぎのステージに立った。家庭用電源でも充電が可能で、より長い航続距離を実現するプラグインハイブリッド「プリウス PHV」の登場だ。
AC200Vで約90分、100Vでも約180分で満充電が可能というバッテリーを搭載し、EV走行も26.4kmを実現。EV走行とHV走行の燃費を複合して算定した、プラグインハイブリッド燃料消費率は61.0km/ℓ、CO2排出量も38g/kmという驚異的な数値の一台となった。
実証実験では約250km/ℓも記録!
トヨタは、このプリウス PHVの発売にさきがけて、25台のプリウスPHVを3ヵ月限定で豊田市在住の個人一般ユーザーによる実証実験をおこなった。
その結果、平均燃費が44.8km/ℓ、石油消費削減効果は72パーセントとなったが、このモニタリングに参加した主婦のなかには約250km/ℓという圧倒的な数値を記録したひともいる。自宅を基点に買い物や送り迎えなど近距離走行を繰り返し、1日4~7回のこまめな充電を繰り返した結果生まれた数値だという。
そのほかにも、約3500kmを無給油で走った車両も出てくるなど、これまでの低燃費車とは次元のちがう燃料効率を実現している。
320万円からの価格で日米欧6万台の販売を目指す
トヨタは、今回のプリウス PHVの発売にあわせ、インフラの整備も同時に着手する。全国のトヨタ販売店に設置された充電ステーション「G-Station」で1時間の無料充電がおこなえるほか、車両から「トヨタスマートセンター」へ送信された情報をもとにスマートフォンで電池残量やEV走行可能距離を確認できる「eConnect」というサービスを開始。
燃費履歴や全国のPHVオーナー間の燃費ランキングが確認できるESPO、充電ステーションの位置を検索できるコンテンツなども用意される。さらに、グループ会社であるトヨタホームやミサワホームが自宅の電気工事を提供するサービス体制も構築し、PHVの普及を目指している。また、将来のスマートコミュニティづくりの第一歩としての役割も担い、H2V(Home to Vehicle)マネージャーというシステムをとおし、家庭での電力使用ピーク時には充電をやめるピークカットなどがおこなわれる。そのほか、バッテリーのいたわりチェックなど、5つのパッケージサービスからなる「PHV Drive Support」を3年間無料で提供するとしている。
なお、プリウスPHVの販売目標は年間6万台で、うち国内が3万5000台から4万台、残りが欧州と北米だという。ちなみにこのプリウス PHVは、通常のプリウス、プリウスαと併売される。現在、東京ビッグサイトで開催されている東京モーターショーに出展されているプリウスcこと「アクア」が市場にくわわれば、プリウスファミリーがさらに拡充されることとなる。
TOYOTA PRIUS PHV S|トヨタ プリウス PHV S
ボディサイズ|全長4,480×全幅1,745×全高1,490mm
ホイールベース|2,700mm
車両重量|1,410kg
エンジン|1.8リッター直列4気筒+電気モーター
最高出力(エンジン)|73kW(99ps)/5,200rpm
最高出力(モーター)|60kW(82ps)
最大トルク(エンジン)|142Nm(14.5kgm)/4,000rpm
最大トルク(モーター)|207Nm(21.1kgm)
最高出力(トータル)|100kW(136ps)
駆動方式|FF
トランスミッション|電気式無段変速機
JC08モード燃費|61.0km/ℓ
CO2排出量|38g/km
価格|320万円