日産|NISSAN EV用充電システムの実証実験
日産|NISSAN
EV用充電システムの実証実験
日産は、フォーアールエナジーとともに太陽光発電と「リーフ」のリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電気自動車用充電システムを開発、横浜市の日産自動車グローバル本社で実証実験を開始した。
文=谷中朋美
1年間でリーフ1800台分の充電が可能に
日産自動車とともに開発に取り組んだフォーアールエナジーは、EVで使用済みとなったバッテリーの2次利用の事業化を目的に、日産自動車が住友商事と2010年9月に設立した合弁会社。すでに住宅用の小型蓄電システムの実証実験などにも取り組んでいる。
今回開発された充電システムは、日産自動車グローバル本社に設置。最大出力40kWを誇る太陽電池を設置し、発電された電力をおなじく本社内に置かれた最大蓄電容量96kWh(日産 リーフに用いられているバッテリー4台分)のリチウムイオンバッテリーに送り、EVの充電に使用するというもの。この電力は、本社内の3基の急速充電器と14個の普通充電ソケットをとおして充電可能で、電力が空の状態の「リーフ」に換算すると年間1800台分もの充電ができる(1日の発電を約3時間としたとき40kWの電力をソーラーパネルが発生する。単純計算で365日分を掛けると年間43800kWの電力を賄えることになる)という。ちなみに、このソーラーパネルは488枚設置されており、全体の広さは約3500平米にもわたる。
リチウムイオンを定置することで、夜間などでも充電が可能に
このシステムが開発されたことで、発電時のCO2排出をゼロにすることが可能になり、日産自動車が掲げるゼロ・エミッション社会により近づくことができたと言える。
日産自動車などでは今後、EVのライフサイクル以上に耐用年数があるというリチウムイオンバッテリーを再利用して充電システムを運用する予定だ。つまり、リチウムイオンバッテリーを定置し、蓄電池として利用することで、太陽光発電できない夜間や雨天時などでの充電も可能にし、再生可能エネルギーを効率的に活用できるという。
実証実験を受け、日産自動車では将来的に商業施設や公共施設を対象とした中型蓄電システムの市場開拓を進めていくつもりだという。