三菱|MITSUBISHI 東芝の電池をEVに
三菱|MITSUBISHI
東芝の二次電池が三菱製電気自動車に正式採用
東芝の二次電池「SCiB」が、三菱自動車の新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」と「MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)」に搭載されることが正式に決まった。
文=谷中朋美
リチウムイオンと比較して1.7倍の電費性能
SCiBはマイナス極に東芝独自の材料を採用。急速充電が可能なほか、長寿命性に優れ、低温下など過酷な状況で走行しても劣化しにくいという特長をもつ。東芝がおこなった性能評価では、SCiBを組み合わせた電池モジュールは、一般的なリチウムイオン電池に比べ、電費(電池の単位容量あたりの走行距離を示す指標。ガソリン車の燃費に当たる)が約1.7倍優れている。そのため、搭載する電池容量を減らすことができ、車両の低価格化にも寄与できるという。
国内で標準化が進んでいる急速充電規格「CHAdeMO」方式の最大電流で充電した場合、電池容量が10kWhだと、15分で80パーセント、10分で半分、5分で1/4程度の急速充電ができることがわかっており、SCiBは一般的なリチウムイオン電池の約半分の時間で充電できる。
また、SCiBは充電時の発熱量が少ないという特性があるため、電池モジュールを冷却するための電力を省くこともできる。さらに、SCiB電池モジュールの充電・走行(放電)を繰り返した場合、一般的なリチウムイオン電池の2.5倍以上の使用が可能であることから、将来的にはリユースすることも視野に入れているという。このほか、マイナス30度という極寒の環境下にあっても急速充電と走行が可能なので、冬でも安心して使用することができる。
今回の正式採用は、このような優れた充電・走行性能が高く評価されたかたちだ。三菱自動車は今夏から「i-MiEV」にSCiBを搭載したモデルを200万円以下で発売するほか、2011年冬に発売予定の「MINICAB-MiEV」にもSCiBを採用するとしている。