高効率なパッケージングで広い空間を実現

当初、3月中旬に発売が予定されていた「フィット シャトル」。東日本大震災が発生し、東京電力管内の電力不足を考慮したことで、生産を埼玉県狭山市の埼玉製作所から三重県鈴鹿市の鈴鹿製作所に移管。3カ月遅れの販売開始となった。

フィット シャトルは、「フィット」のシャシーをベースに、全長を約500mm伸ばした全長4,410×全幅1,695×全高1,540mmの5ナンバーサイズのボディをもつ。特筆すべきはそのパッケージングで、フィットから採用されているセンタータンクレイアウトにより、ガソリン車の荷室容量は床上と床下をあわせてフィット、427リットルにたいし、フィットシャトルは590リットルの大容量を確保。ハイブリッド車でも517リットルの積載性を保っており、コンパクトクラスというカテゴリー以上の広さである。

フィット　シャトル　ハイブリッド

ハイブリッドは燃費30ℓ/kmを記録

パワートレインは、ガソリン車は1.5リッターI-VTECエンジンを搭載。最高出力は88kW（120ps）/6,600rpmで、最大トルクは145Nm（14.8kgm）/4,800rpmとコンパクトカーとしては必要十分。ハイブリッド車は1.3リッターI-VTEC+IMAのシリーズハイブリッドを採用。エンジンの最高出力は65kW（88ps）/5,800rpm、最大トルクは121Nm（12.3kgm）/4,500rpmとなり、一方のモーターでは最高出力10kW（14ps）/1,500rpm、最大トルクは78Nm（8.0kgm）/1,000rpmとなる。ともにエンジンのフリクションロスやフロントブレーキ回転抵抗などを徹底して低減、燃費性能の向上を図り、ガソリン車のFFで10・15モード燃費20.0km/ℓ、4WDで16.4km/ℓ、ハイブリッド車が30.0km/ℓの低燃費を実現している。ちなみにフィット ハイブリッドの好敵手とも言えるトヨタ・プリウスαは、31.0km/ℓとほぼ同等だ。

エクステリアは、「フィット」の流れを汲みつつも、ワゴンらしい伸びやかなフォルムが印象的だ。インテリアでは、フロントシートにミドルクラス車のシートフレームを採用するなどして、上質な乗り心地を確保した。

グレードはガソリン車が「15C」と「15X」の2種類、ハイブリッド車では「ハイブリッド-C」「ハイブリッド」「スマート セレクション」「ナビプレミアムセレクション」の4種類で構成。ガソリン車との差別化を図るため、ハイブリッド車にはメッキにクリアブルー塗装をほどこすとともに、アクリルカバーをあわせたフロントグリルなど先進的でクリーンなイメージをもたせた専用のエクステリアが用意されている。

カラーは、ハイブリッド車専用で今年10月から生産開始が予定されているグリーンオパールメタリックをはじめ、プレミアムホワイト・パールやクリスタルブラック・パールなど全8色。インテリアはブラックとブラウンの組み合わせとベージュから選ぶことができる。

コンパクトカーサイズよりも大きく感じる室内空間と、コンパクトカーならではの低燃費という「いいとこ取り」な「フィットシャトル」。さすが日本メーカーだけに、日本で乗るのに最適なサイズの1台に仕上がっている。

ホンダ フィット シャトル｜HONDA FIT SHUTTLE
ボディサイズ│全長4,410×全幅1,695×全高1,540mm
ホイールベース│2,500mm
車両重量│1,140kg～1,240kg
エンジン│1.5リッターI-VTEC
最高出力│88kW（120ps）/6,600rpm
最大トルク│145Nm（14.8kgm）/4,800rpm
10・15モード燃費│20.0km/h（FF）、16.4km/h（4WD）
価格│161万円～

ホンダ フィット シャトル ハイブリッド｜HONDA FIT SHUTTLE HYBRID
車両重量│1,190kg～1,200kg
エンジン│1.3リッターI-VTEC+IMA
最高出力│65kW（88ps）/5,800rpm（エンジン）、10kW（14ps）/1,500rpm（モーター）
最大トルク│121Nm（12.3kgm）/4,500rpm（エンジン）、78Nm（8.0kgm）/1,000rpm（モーター）
10・15モード燃費│30.0km/h
価格│181万円～

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